ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

バナナツヤオサゾウムシ

2014年06月27日 | 動物:昆虫-甲虫目

 色黒もいます

 私の畑ナッピバルは西は道路、北隣はウージ(さとうきび)畑、南隣はキャベツ畑になっていて、東隣の半分は原野で残りはバナナ畑である。バナナ畑といっても、もう何年も前から放置されており、バナナが自生している原野みたいな景色となっている。
  隣のバナナはナッピバルとの境界まで生えており、ナッピバル内に果実の房が垂れていれば採って食べている。そのバナナは料理バナナという種で、青いうちに火を通して食べるのに適している種、私の感覚ではジャガイモに近い。熟すれば普通の果物バナナとしても食える。スーパーで売られている果物バナナに比べると甘味も酸味も少ない。

 ナッピバルにもバナナはある。前にここを使っていた友人Kが植えたもの、島バナナという種で、とても美味しい果物バナナ。その バナナは東側境界の北端にまとまって植えられていた。その約半分を他所に移して、今は5~6本だけとなっている。
 バナナを他所に移す前、まだ10数本が立っていた頃、具体的に言うと、2012年の9月、ナッピバルを始めて一ヶ月が過ぎた頃、バナナの根元付近に置いてあったバケツの縁に「いかにもゾウムシ」と見える虫がいるのを見つけた。「いかにも」は、その鼻(口吻)が長かったからだが、写真を撮って調べても、図鑑に似たような者はいなかった。
 ゾウムシだと決めつけて、図鑑もゾウムシ の写真ばかり見ていた。「ゾウムシじゃないかも」と思って甲虫類全体を見たが、それでもいない。で、捜索は諦めた。

 一ヶ所にあった島バナナの約半分を移植したのは2012年の11月。今年(2014年)6月13日、そこのバナナの近くに置いてあったプラ鉢の縁に「いかにもゾウムシ」と見える虫がいるのを見つけた。写真を撮って調べると、それはバナナツヤオサゾウムシという種であることがすぐに判明した。図鑑にほぼ同じ写真があったのだ。
 5日後の18日には東側境界の北端に残っ ているバナナの近くで「いかにもゾウムシ」と見える虫がいるのを見つけた。色は違うが、形はバナナツヤオサゾウムシにそっくり。バナナツヤオサゾウムシは赤褐色だが、そのゾウムシはほとんど黒色。で、図鑑の説明文を読んだ。「地色は赤褐色から黒色まで変化がある」とあった。「これもバナナツヤオサゾウムシってわけだ」となり、我が捜索能力に大いに満足したのであった。
 満足して、そして、天才的閃きが珍しく私の脳に起こった。「まてよ、バナナに付くゾウムシなら、前にもバナナの近くで見つけたのがあったな、大きさも形も同じようなものだったぞ」と、パソコンの中の、不明写真フォルダの中の、甲虫フォルダを開いた。

 
 バナナツヤオサゾウムシ(甘蕉艶長象虫):甲虫目の昆虫
 オサゾウムシ科 沖縄島、宮古諸島、八重山諸島、他に分布 方言名:不詳
 名前の由来については、「寄主はバナナ」ということからバナナ、体に光沢があるのでツヤ(艶)、ゾウムシは広辞苑に「象の鼻状に長く突き出した口吻をもち」とある。オサについては資料が無く不明。本種はオサゾウムシ科で、おそらく、ゾウムシ科のゾウムシに比べ、全体が細長いのでオサ(長)と付いたのではないかと思われる。
 成虫も幼虫もバナナに付き、茎や葉柄を加害して枯らせてしまうこともあるとのこと。私のバナナの茎に穴を空けている。バナナには他にバショウオサゾウムシとバショウコクゾウムシなどの害虫がいるとのことだが、それらはまだ見ていない。
 体長12ミリ内外、出現は周年。地色は赤褐色から黒色まで変化があるとのことで、私の畑で見たものにも色の濃さに違いがあった。比較的薄い地色のものでは本種の模様の特徴である前胸背に2筋の黒い縦線が走っているのがはっきりしている。
 
 横から
 
 やや黒っぽい個体
 
 さらに黒っぽい個体

 記:2014.6.24 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『学研生物図鑑』本間三郎編、株式会社学習研究社発行

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