ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

基地の跡地利用案

2012年01月20日 | 通信-社会・生活

 独り者の私は自分一人が食う分だけを確保すれば良いので、貧しい(日本国の中、あるいは先進国の中ではという限定)けれども、生きるだけを考えるなら気分は楽である。できれば高級な酒も飲みたい、できれば高級な肴を食いたい、できれば大好きな旅にも出たい、できれば美女とデートもしたい、などと思うが、「生きているだけで幸せだぜ」と思えば、そういったことができないからといって、何の不幸も感じない。
 自分一人が食う分の確保を目指して、2年ほど前から親戚の空き地を借り、甘藷(サツマイモのこと、沖縄で芋と言えばこれ)や野菜を作っている。借りている土地は約100坪の広さで、バナナ、カキ、シークヮーサー、マンゴーなどの果樹、リュウキュウコクタンなどの庭木、園路、刈り草置き場、トイレなどが占める部分以外、つまり、野菜畑として活用できる面積は目一杯利用したとして30坪ほどだ。

  たったの30坪ではもちろん、自分一人が食う分さえの確保もできない。今はまだ練習のつもり、もう少し勉強して、30坪での生産が計画的、安定的に確立できるようになったらもっと広い、300坪ほどの農地を借りるつもりだ。あと何年かかるだろう?
 30坪とは約1アールである。芋を主食にするならば300坪で1人分の自給自足は何とか可能だろうとこの2年、畑仕事をしていて結論を持った。300坪とは10アールである。てことは、1ヘクタールあれば10人の人間が何とか食っていけることになる。電化製品はどーする?旅行代はどーする?レストランでの食事代はどーする?などはちょいと棚に上げて、「生きるに十分な食物を得る」ということを前提としている。
 それを前提に考えてみた。今、というか数年前から「移転する、辺野古にする、少なくとも県外にする、やっぱり辺野古にする」などと話題になっている普天間飛行場、その面積は約480ヘクタールある。1ヘクタールで10人の人間が食っていけるので、普天間飛行場を芋畑にすれば4800人分の食料が生産できる。
 普天間飛行場はまだ序の口だ。嘉手納飛行場とその隣の嘉手納弾薬庫を合わせた面積は約47000ヘクタールある。47万人分の食糧生産ができる。さらに言えば、沖縄の米軍基地の総面積は約24万ヘクタールある。その広さの半分を宅地、店舗、道路、公園、公共機関などに使ったとして12万ヘクタールを芋畑にする。すると、約120万人分の食料が生産できる。120万人、現在の沖縄県の人口とほぼ同数となる。

 まあ、現実には芋ばっかり食っているわけにもいかず、衣食住の衣、住にも金がかかるし、教育費や酒代も必要だし、あるいは、天変地異で思うように芋の生産ができない場合もあろうし、沖縄の基地を全部返してもらたからといって、120万人分の食料が手に入るわけでは無い。ただ、単純に計算するとそうなるということだ。
 沖縄は小さな島だ。沖縄県の面積は全国の約166分の1しか無い。その日本だって小さな島だ。世界の陸地総面積の394分の1しかない。世界中の軍事基地の総面積はいったいどれくらいあるだろうか?陸地面積と単純比例して沖縄の米軍基地の6万倍あったとしたなら、そこを芋畑にしたなら、720億人分の芋が生産できる。いつになったら戦争の無い世界になるのか知らないが、いつになったら軍隊の要らない世界が来るのか知らないが、武器を捨てて鍬を握ったら、世界に飢えは無くなるはず。
          

 記:2012.1.20 島乃ガジ丸