ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

サキシマフヨウ

2018年06月08日 | 草木:低木

 ホームページ『ガジ丸の島』でフヨウを紹介したのはもうだいぶ前、2005年11月のこと。そこに載せてある写真もその頃撮ったもの。であるが、その時既に「私にはフヨウとサキシマフヨウの違いが判らない」と言い訳している。「言い訳するくらいなら紹介するなよ!」と、もう1人の私は思うのだが、そう思いつつもさらなる言い訳。
 その頃、私が参考文献にしていた書物は9冊で、それらにフヨウとサキシマフヨウの違いを説明している本は無く、それらから得た私の感覚としては「サキシマフヨウはフヨウの1種である」であった。「フヨウの変種とか亜種であろう」と。

 その後参考文献に加えた『琉球弧野山の花』に両者の違いが記されていて、「本州や九州の一部で野生化しているフヨウは、若い茎や葉、花柄に星状毛に混じって腺毛が密生するので区別できる」とあり、学名を調べるとフヨウはHibiscus mutabilis L.で、サキシマフヨウはHibiscus makinoiとなっていた。それによってサキシマフヨウとフヨウは別種であり、「区別できる」ものと知ったのだが、しかし、細かいことの苦手な私には「花柄に星状毛に混じって腺毛が密生する」は確認できなかった。
 今回(2018年5月)、宜野湾市民図書館から借りて新しく参考文献に加えた『ネイチャーガイド 琉球の樹木』に、もっと判り易く両者の違いが記されていた。
 別項「フヨウ」にも書いたが、「フヨウはサキシマフヨウより葉が大きく、裂片の先が尖り、各部に腺毛が多い」とのこと。同書は最近、2016年11月の初版発行。

 2012年11月、ヤンバル(沖縄島北部の通称)に行く機会があり、そのついでに海洋博公園の散策をした。その時にフヨウ、またはサキシマフヨウらしき樹木を見つけ写真を撮ってあった。その写真の樹木と前にフヨウと紹介した写真の樹木を見くらべる。そして、『ネイチャーガイド 琉球の樹木』に載っているフヨウとサキシマフヨウの葉を見くらべる。海洋博公園で撮った写真の樹木は、サキシマフヨウのようであった。
 フヨウの葉は切れ込みが深く、サキシマフヨウの葉は切れ込みが浅いとのこと。

 
 サキシマフヨウ(先島芙蓉):添景・公園
 アオイ科の落葉低木 九州南部以南~南西諸島、台湾、他に分布 方言名:フユウ
 名前の由来、フヨウについては資料が無く不明。おそらく、芙蓉は漢名で、フヨウはその日本語読みなのだと思われる。サキシマは先島で、沖縄の先島地方(宮古諸島、八重山諸島など沖縄島よりさらに南にある島々)で多く見られるからだと思われる。
 方言名は他にヌーユーナ、ヤマユーナなどがある。ヌーユーナは野のユーナ、ヤマユーナは山のユーナということ。ユーナはオオハマボウの方言名。フヨウもオオハマボウも同じヒビスクス属で、樹形や葉の形などはよく似ている。
 「フヨウとサキシマフヨウの違い」は解り易く言うと上述したように「フヨウの葉は切れ込みが深く、サキシマフヨウの葉は切れ込みが浅い」で、細かくいうと「フヨウは若い茎や葉、花柄に星状毛に混じって腺毛が密生する」とのこと。また、フヨウは「高さ1~3m」とあり、サキシマフヨウは「高さ2~6m」となっている。
 花はいかにもアオイ科らしい形の大きな花で、枝先に多く着いて樹冠を飾り、開花期の頃はよく目立つ。一般には白色~淡桃色で1日花。開花期は冬から春。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2018.6.8 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行
 『グリーン・ライブラリー』タイムライフブックス発行
 『ネイチャーガイド 琉球の樹木』大川智史・林将之著、株式会社文一総合出版発行

ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
« 海はふるさと | トップ | 甘ちゃんのうつ »