ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ナガマルコガネグモ

2018年08月07日 | 動物:クモ・その他

 生きている意味

 前回紹介した『チュウガタシロカネグモ』の中で『ネイチャーガイド 日本のクモ』のお陰で何者か不明だったクモの類がいくつか判明した。と書いたが、それ以前に判明していたクモの類もいくつかあった。今回紹介するナガマルコガネグモはその1つ。

 本種ナガマルコガネグモは大きく(雌23ミリ内外)て、派手な色模様をしていて目立つので、これまで何度もカメラに収めている。去年まで使っていた300坪の畑でも何度も見つけている。きれいなクモだと私は思う。それでも、
 クモ、特に女性には嫌われる類の動物であり、紹介しても喜ばれない、少なくとも友人のK子やE子、近くにいるH子やM子に見せたとしたら「えーい、気持ち悪い」と一蹴されるであろう。しかし、クモも生きている。きっと訳あってこの世に存在している、クモにも生きている意味があるのだ、と私は思うようにしている。ところが、
 カマキリもそうであると聞くが、ナガマルコガネグモも「交尾が終わると雄は雌に食われてしまう」とのこと。ナガマルコガネグモの雄の生きている意味って何だろうと考えてしまう。「子孫を残すだけか?」と、人間の雄である私は同情してしまう。

 
 ナガマルコガネグモ(長丸黄金蜘蛛):クモ目の節足動物
 コガネグモ科 沖縄、宮古、八重山、大東など南西諸島に分布 方言名:クブ
 名前の由来は資料が無く正確には不明。コガネグモは広辞苑にあり、黄金蜘蛛と漢字が充てられ「雌の腹部の背面は黒褐色の地に3条の黄帯を走らす」の「黄帯」から黄金とついたと思われる。本種はコガネグモと同属の近縁種で、体型が長くて丸い。
 体長は雌23ミリ内外、雄5ミリ内外。コガネグモはそれより少し大きく雌25ミリ内外雄6ミリ内外。本種は南西諸島に分布で、コガネグモは本州以南に分布する。
 林縁や草地など開けた場所に垂直の正常円網を張る。網型は正常円網で直径20センチ内外、中央にX字状あるいはその一部を省略した白帯を作る。
 「出現時期は3~8月」と文献にあったが、私は10月30日にも網を張って獲物を待っている本種を見ている。発見場所は当時働いていた職場(首里石嶺)の庭。「交尾が終わると雄は雌に食われてしまう」と『沖縄クモ図鑑』にあった。ちなみに学名、
 コガネグモ Argiope amoena
 コガタコガネグモ Argiope minuta
 ナガマルコガネグモ Argiope aemula
 ナガコガネグモ Argiope bruennichii
 この4種は沖縄にいてよく似ている。
 
 成体2 「網の中央部にはX字形あるいはその一部を省略した帯」と文献にある通りの帯。
 
 成体3 脚が白っぽいもの黒っぽいものあるが、個体変異ということであろう。
 
 成体4 こっちはまた、腰に赤い帯がある。これも個体変異ということであろう。

 記:2018.8.6 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行
 『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行
 『名前といわれ昆虫図鑑』偕成社発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』湊和雄著、実業之日本社発行
 『西表島フィールド図鑑』横塚真己人著、実業之日本社発行
 『沖縄クモ図鑑』谷川明男著、有限会社文葉社発行
 『ネイチャーガイド 日本のクモ』新海栄一著、株式会社文一総合出版発行