ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

スーマンボースー

2017年05月19日 | 沖縄01自然風景季節

 先週土曜日(13日)、沖縄気象台は沖縄地方の梅雨入りを宣言した。その日はその通りの大雨となり、雨は翌日明け方まで続き、朝は小雨となり午前中まで続いた。その日の午後は降らなかったので、畑へ出掛け、草抜きなどの作業ができた。
 月曜日(15日)、天気予報では「夜から雨」だったので、「布団干しのチャンスだ」と車に布団を載せ、畑に持って行く。空は晴れているが、空気が湿っているので「干すのは11時頃から」と決める。ところが、11時頃になると雲が多くなり、「陽が射さないと意味ない」と、布団を干さずにいたのだが、それは大正解だった。昼飯食った12時過ぎから大雨となる。雨は時々小雨になったが、概ねは土砂降りで、夜まで続いた。
 雨は「夜」までではなかった。翌日16日の夜中土砂降りの雨音で目が覚めた。未明も時々目が覚めた。雨は朝まで続いた。「朝」までではなかった。その日は昼間もずーーーっと「大雨、時々小雨」となり、今年はその名に恥じぬ梅雨入りとなった。
     
     

 スーマンボースーとは沖縄語で、漢字で書くと小満芒種。小満も芒種も二十四節季の一つ。小満は「4月の中。太陽暦の5月21日頃に当たる」(広辞苑)で、芒種は小満の次の節で「5月の節。太陽暦の6月5日頃に当たる」(〃)のこと。今年の小満は5月21日で、芒種は6月5日と広辞苑の通りとなっている。
 小満芒種は『沖縄大百科事典』に記載があり「梅雨の代名詞」とのこと。私の経験でも小満芒種は「梅雨時のことだな」と認識していた。であるが、梅雨入りの平年値(たぶん最近数年間の平均値)は数年前まで5月5日で、今の平年値は5月9日である。5月21日ではちょっと遅かろうと思うが、だいたいそんなもんということだろう。梅雨明けの平年値は6月23日だ。芒種の終わりは6月20日頃なのでほぼ当たっている。

 今年は少雨傾向であった。私としてはそんな傾向を感じていなかったのだが、4月、ラジオからのニュースで「ダムの貯水率が50%を切っている。例年より20%ほど低いらしい」と聞き、「そうか、沖縄は少雨傾向だったのか」と気付かされる。
 私の感覚では、雨の日は多かったような気がしたのだが、日記を読み返すと、雨の日だった日数は例年とそう変わらない。だが、沖縄気象台のデータによると、去年10月から今年3月まで雨量が少ない。大雨の日が少なかったようである。
 4月10日は「昼前から大雨」の予報であった。素直なオジサンは予報を信じて、畑を早めに切り上げ、あれこれ雑用の日としたのだが、雨はちらちら降っただけ。翌11日も同じく大雨の予報、その日は少し降ったが、大雨と言うには程遠かった。
 「何だこの天気予報、ピーターと狼みたいだぞ」と思い、「大雨が降るぞー!」と言って降らないから「ピーターと大雨」でお話でも作ろうかと少し考え、「ビーチャー(トガリネズミ)と大雨」というタイトルも考えたのだが、面白い話は思い付かなかった。
 しかし、こちらのピーター(沖縄気象台)は3度目の正直で、4月18日火曜日、大雨の予報があって、その通り朝から土砂降りとなった。久々の大雨だった。

 ところがその後しばらく、またも少雨傾向となる。過去5年間(2012~2016)の、4月の月間降雨量平均値は222ミリだが、今年はたったの67ミリ。「沖縄のダム貯水率は大丈夫かいな」と思っていたが、5月13日の梅雨入り以降、一昨日5月17日まで雨はたっぷり降った。沖縄のダムもきっと、もう大丈夫だろう。
     

 記:2017.5.18 ガジ丸 →沖縄の生活目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行