ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

シンプルのための煩雑

2011年11月11日 | 通信-その他・雑感

 今年(2011年)5月、その時住んでいたアパートの部屋にシロアリが発生し、シロアリ殺虫剤(1000円近くする)を一万五千円分ほど使ったが、シロアリは部屋の床、壁、天井の四方八方から私を取り囲み、殺しても殺しても、後から後から湧いてくる。ということで、7月には白旗を上げ、8月一杯の落城(部屋を出ていく)を決めた。
 8月中旬から新しいアパート探しを始めたが、すぐには見つかるまい、9月中は実家で暮らさなければならないであろうと想定し、部屋の荷物のほとんどを実家へ運んだ。ところが、8月末に新居が急遽決まり、9月初めには実家へ運んだ荷物を新居へ運ぶ作業となった。二週間ばかりの間に2度の引っ越しをやったということになる。

  引っ越し作業は家具作りも含まれ、新たにいくつかの家具を作った。小さな家具、分解できる家具など、次に引っ越す時、自分一人で部屋の中のものを全て運べるようにと考えてのこと。それら家具は木材を切って、くっつけて、塗装するまで全て手作り。なので時間がかかった。10月27日にノートパソコン用のテーブルができ、予定していた家具は全て完成となったが、その後、予定に無かったものも作った。
          

 新たな家具作りをしながら、我が持ち物の処分も10月からやっている。家財道具はワンボックスカーに収まる分だけというシンプル生活を目指してのこと。私の蔵書は、100冊ほどを捨て、200冊ほどは実家へ置いてある。今部屋にあるのは約100冊、これらは捨てられない、少なくとも年に1回は目を通す必要な書物ばかりである。
  音楽CDの整理もやっている。パソコンに全て保存して、CDそのものは処分しようと思ってのこと。既に70枚ほどをデータ化(MP3)した。部屋のデスクトップパソコンは今、ジュークボックス(って知らないかなぁ、若い人は)のようになっている。
 古い写真の整理もやっている。15年ほど前の彼女とのアツアツ長崎の旅の写真も数枚を残して処分(燃えるゴミ)した。古い手紙や葉書も、観た映画演劇、旅行した先のカタログ、美術館でのメモなどの想い出も処分しようと思っている。
 そういった作業は実は煩雑である。いちいち中味を見て、「これはこの先、生きていく上で必要な想い出であるか否か」を判断しなければならない。それを判断した上で「パソコンデータ化するべきか否か」をさらに判断し、パソコンデータ化すべきと判断したものはそうしている。そのパソコンデータ化する作業がとても煩雑なのである。
 音楽CDのデータ化は、データ化そのものはパソコンがやってくれるが、一曲一曲に名前をつけるのは手作業となる。これまで1200曲余りの名前を入力してきたが、時間がかかった。写真はスキャナーでスキャンする予定だが、これもおそらく時間のかかる煩雑な作業となるであろう。シンプルに生きるためには煩雑な作業が必要みたいだ。
          

 5月のシロアリから、以上の作業などだけでは無く、実家の整理整頓、掃除も並行してやってきた。猫の手も間に合わないほどバタバタ動いてきた。お陰で、畑作業が犠牲となってしまっている。私は実は、「畑は生きる糧である」と言いながら、本心では趣味の園芸としか捉えていないに違いない。「本気でやれ!」と自分に言いたい。食料の自給自足が国単位でも重要であることを、ついでに、国にも言っておきたい。

 記:2011.11.11 島乃ガジ丸


ナガサキアゲハ

2011年11月11日 | 動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 長崎の大物

 中学から高校、浪人の頃にかけて、司馬遼太郎の作品が好きで多く読んだ。群雄割拠する戦国の歴史も、日本の夜明けとなる幕末の歴史もそれらの作品から多くを学んだ。
 江戸時代を舞台とする物語も好きであった。それは司馬遼太郎に限らず、また、小説に限ってもおらず、テレビドラマで観るのも好きであった。なので、戦国から江戸時代、幕末にかけての知識は、ある程度私は持っている。・・・いや、持っていたという方が正しいかもしれない。私の記憶脳はどうも小さいようで、忘れていることが多い。

 長崎の大物といえば誰?と自分に問うて、脳味噌を穿り返してみたが一人として思い浮かばない。シーボルト、グラバー邸のグラバーなどは名が浮かぶが、どういう人だったのか良く知らない。ということで、ネットで「長崎の有名人」を検索する。
 長崎の有名人はたくさん出てきたが、「歴史上の」とつけると少ない。シーボルト、グラバーは出てきたが、彼らが大物かどうかはよく判らない。
 現役の有名人では内田春菊と役所広司が目に付いた。内田春菊は好きな漫画家、役所広司は好きな役者だ。「内田春菊は大物」とは少々言い辛いが、役所広司は少なくとも織田信長や宮本武蔵などを演じていたので大物役者とは言えるだろう。

 長崎の大物がチョウにはいる。沖縄に生息するアゲハチョウの仲間では最も大きく、他のチョウを加えてもオウゴマダラに次ぐ大きさをしている。大物の蝶に違いない。大きくて翅の模様も特徴があるので、飛んでいるのを見て、すぐにそれと判る。

 ナガサキアゲハ(長崎揚羽):鱗翅目の昆虫
 アゲハチョウ科 分布は本州中部以南、沖縄、東南アジアなど 方言名:ハベル
 名前の由来は資料が無く不明。ナガサキについては「名が先」、「長咲き」なども思いついたが、普通に考えて長崎とし、長崎で多く見られるとかいう由来。
 雄は黒地に青い鱗粉がまぶされていて、全体には紺色に見える。薄い青の筋が縦にいくつも走っている。雌は黒地に白班が縦に並んでいる。この白斑、南にいくほどその面積が大きくなり、写真のものは沖縄産。本土産のものはもっと黒が勝っているとのこと。
 前翅長65~70ミリ。沖縄にいるアゲハチョウの仲間では最も大きい。成虫の出現、沖縄では2月から12月。幼虫の食草はミカン科のシークヮーサーなど。
 
 雄翅裏  
 
 雄翅表  
 
 雌翅裏  
 
 雌翅表  
 
 幼虫  
 幼虫の大きさは、写真のものは30ミリほど、まだ若齢のようだ。
 
 求愛  
 止まっているのが雌、その下でせわしなく翅をばたつかせているのが雄。 

 記:ガジ丸 2005.9.15  →沖縄の動物目次 →蝶蛾アルバム
 訂正加筆 2011.8.8

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行


アゲハ

2011年11月11日 | 動物:昆虫-鱗翅目(チョウ・ガ)

 本家でござる

 チョウとガには明確な違いは無い、ということは別項「昼間働くガ」で書いているが、
鱗翅目の内、アゲハチョウ上科とセセリチョウ上科が気分的にチョウとされているとも述べた。それは、その二つの上科に含まれている種の多くが昼間活動するとか、翅を広げて止まるなどの特徴を持っているからだが、それが全てにあてはまるものでは無い。でも、まあ、とにかく気分的には、それら二つの上科の種がチョウとなっている。

 セセリチョウ上科にはセセリチョウ科しかないが、アゲハチョウ上科にはアゲハチョウ科、シロチョウ科、シジミチョウ科、タテハチョウ科などいくつもの科がある。それらの中で、上科と同じアゲハチョウと名の付くアゲハチョウ科が、いわば、アゲハチョウ上科の代表と言えよう。さらに、アゲハチョウ科の代表は、通称ナミアゲハ、あるいはアゲハチョウそのものでも呼ばれることもあるアゲハであろう。つまりは、アゲハチョウ上科のアゲハチョウ科のアゲハこそがチョウの本家でござる、と言えるのだ。
 本家?・・・と言ってもそれは文字通り名ばかりの本家。実質の本家を言えば、種はどれもがそれぞれ独立した本家だ。アゲハがシロオビアゲハを産むことは無い。

  アゲハ(揚羽):鱗翅目の昆虫
 アゲハチョウ科 分布は日本、沖縄、東南アジアなど 方言名:ハベル
 アゲハチョウというのはアゲハチョウ科のチョウの総称であるが、本種アゲハの通称ともなっている。確かに、アゲハはアゲハチョウを代表するみたいで、ナミアゲハ(並揚羽:普通のアゲハといった意味)という別称もある。
 関東から九州辺りでは普通のアゲハ、つまり、よく見かけるアゲハのようだが、沖縄には少ないらしい。幼虫の食草となるカラタチやサンショウが少ないかららしい。でも、職場の庭にはちょくちょく現れる。シークヮーサー、タンカン、シキカン、ゲッキツなどのミカン科の植物が数本あるので、それを狙ってのことだろう。柑橘類の害虫となる。
 前翅長50ミリ内外。成虫の出現は多化性(年に数回あるということ)。幼虫の食草はミカン科のシークヮーサー、ヒレザンショウなど。漢字は鳳蝶とも書く。
  
 沖縄産1

 
 沖縄産2  
 
 沖縄産3  
 
 八重山産1 
 
 八重山産2   

 記:ガジ丸 2005.9.15  →沖縄の動物目次 →蝶蛾アルバム
 訂正加筆 2011.8.2

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄昆虫野外観察図鑑』東清二編著、(有)沖縄出版発行