外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

米ドルリスク

2006-04-06 12:41:26 | ☆外国為替を読む
昨日のブログにも書きましたようにドル安が本格化しそうな匂いがするなかで、どうやら通貨全体に対してドルリスクが浮上しているようです。本日のロイター社ニュースによれば、米国の地区連銀総裁が、世界的な投資過熱の傾向でヘッジファンド等の投資機関の増加や投資残高の拡大、世界金融市場の混乱原因となるリスク度が増加していると、警戒発言をしています。

実はこの手のコメントはここ数年間、一定して各方面から発せられています。幸いにしてこれまで大きな事故は発生していませんが、今回の論点は、先進国が比較的堅調な経済拡大を示現している時の金融機関はリスク管理機能が低下しやすく、与信がルーズになれば不良機関の破綻を契機に、リスク連鎖を引き起こしかねないというものではないかと感じています。

特にヘッジファンドなど機関投資家に対する警戒感は、日本を含めて先進各国が共有するリスクとなっているのは最近のトレンドです。ファンドの運営内容への警戒感、という解釈もありえると思いますが文脈などからすると、ファンドの投資先リスクのことを言っているようにも感じ取れます。

日本の立場で考えると、例えば金利差だけでNZDを買い続ければ高金利通貨なのに通貨価値が上昇するという本来とは反対の現象が発生し、それが集中すればするほど、空洞化してしまう価格帯域が広くなります。一方でNZでは有り余る資本流入を受け、利回りを確保するために運用しなければなりませんが、審査を厳しくしていれば運用先がないのに資金だけが集まってしまいます。そこで、審査を甘くして運用先を確保することで、リスクにさらされる資金もまた増えると言う訳です。最悪なケースでは投資資金の回収はおろか、空洞化された価格帯を一気に埋めてしまうような相場変動を引き起こしかねません。

注:ここでNZDを題材にした根拠は全くなく、あくまでたとえ話です

この解釈と地区連銀総裁さんが言うところの意味は同じかどうか判りませんが、かのウォーレン・バフェット氏から、全資産を米ドルが絡まないあらゆる株式インデックスに分散投資した、と発表があったニュースを数日前に読んだ記憶があります。また米国政策金利5%打ち止め論も、いち調査会社のレポートの次元から、次第に政府筋のコメントに置き換わってきているような流れを感じます。

あくまでも深読みの域を脱していませんが、いよいよ米国はインフレ論争から双子の赤字論争へでもシフトするために予防線を張り始めたという超個人的な推理は、全くのピンボケ写真ではないような気がしています。昔のことですが、超円高トレンド第2幕が開く直前に某機関投資家から「外債投資家には多大な迷惑がかかる恐れがある」といった内容の一行コメントが流れたことがあります。かの連銀総裁さんも今回「投資家は今後金融市場が混乱するリスクに無頓着であってはいけない」ともいっているようで、まさにデジャブをみている感覚に襲われたニュースでした。白昼夢であれば良いのですが・・・

人民元の対ドル相場がいよいよ8台を割りそうな勢いです。なかなか進まない元切り上げの強行突破に、一時的なドル安トレンドを作るという一手も存在しそうな気もしており、私の妄想的臆病連鎖は止りません、た・す・け・て!!



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