外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

レベル感(値頃感)

2009-11-28 11:16:11 |   -FX実用相場用語

相場格言的に言えば、”もうそろそろ”は何とやら、”まだまだ”は何とやら、というように、あまり根拠も無く、数値的な大小から抱く感覚、とでも言えば良いか。値頃感といえば皆さんもピンと来るかもしれないが、ぼんやりした概念を表現する。


2008年の年末に、ドル円相場が100円を切った時、相場を良く知らない方々までもが、ドルは安いとばかりに、キャッシュを求めて両替商に並ぶ画像が流れていたことは、記憶に新しい。2008年は初旬にも100円を切ったことがあったが、見事に反転上昇し、110円台を回復していたことで、余計に期待感が煽られたのだろう。

そして今日現在の2009年11月も下旬、年初来安値を大きく割り込み一時84円台へと急伸した。年初来安値は2番底だったことから、残すは史上最安値のみの状態となり、14年数ヶ月ぶりの水準へと突入している。

昨日と比べて確かに安い。100円から比べたら、もっと安いが、何の為に買うかを良く考えたい。

特に差益を主要な収益とする取引では、下落最中にレベル感で買いを入れる行為は、自殺行為に等しい場合がある。


たとえ話
例えば、ピストン輸送をしているバスに飛び乗るとしよう。満車になると、止まらないで通過してしまう。

あなたは右に行きたいのに、右から来るバスに飛び乗るだろうか。ましてや、全速力で走り抜けようとしているバスならば、下手をすれば吹っ飛ばされて、終わりだろう。


通常、右に行きたければ、左からやってくるバスに飛び乗るだろう。通過しそうなほど全速力で近付いてきたバスなら、間違いなくいち早く目的地には連れて行ってくれるだろうが、リレーのバトンタッチのように勢いを付けて併走しても、なかなか飛び乗るのは至難の業だろう。
相場で考えれば、偶然その場に居合わすこと、そんな相場にスリッページ無く入ること、ナッシングに遭遇しない、などが該当しそうだが、相当ラッキーなケースだろう。

一番安全で確実なのは、左からやって来ていて、かつ乗車のために減速しているバスではないだろうか。

ただし、

相場は、ピストン輸送ではないので、必ず目的地に行くとは限らず、乗り込んだ途端に、バックしてしまう場合がある。ただ、バックするためには、瞬間でも停止状態があるハズだ。停止状態が長引くバスはどちらに行くか判断しにくいが、それが相場ならちょうどレンジ相場に該当しそうだ。

最もダメージ無く乗り込むには、恐らく2通り。

一つは、少なくとも行きたい方向へ向かっているバスで、減速はしたものの、そのまま通過するのを祈りつつ飛び乗るか(通過する=目的地へ行く可能性が高い)、

一旦停止したあと、行きたい方向へ動き始めたバスの、スピードが上がる前に飛び乗るのか、

ではないだろうか。
ただし、あくまで入り口(乗り方)のお話である。