Gabbie's Cafe

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TOKAちゃんと…

2008年04月22日 | Cafe Gallery

おとなりのK吉おじいちゃんの家には、トカちゃんという名前の雑種犬がいます。10年前の8月10日にK吉おじいちゃんが拾ってきた…十日に拾われたから、名前はトカ。とっても利口な、かわいいやつ。

トカちゃんは、実は二歳になる次男Rのお友達。過疎の村には近くに遊べる同年代の子供など望むべくもなく、Rは外に遊びに出ると、必ずと言っていいほど「ワンワン、ワンワン」と言いながらトカちゃんのところへと一生懸命に歩き出します。
自分の背丈と変わらない犬に臆する様子もなく、Rはキャッキャと声をあげながらトカちゃんを目指して行きます。ずんずんまっしぐらに自分を目指してやってくる子供…トカちゃんは、ちゃんと相手を見ることのできる犬。やさしく穏やかな目をしてRを迎えます。恐れもせずに嬉しそうに自分をなでまわすRを、トカちゃんが脅かしたりしたことは今まで一度としてありません。つたない歩みのRが自分のくさりで躓かないようにと、注意を払ってすらいるように見えます。

イヌ年生まれのRと、同じくイヌ年生まれの自分の幼少期がダブります。たしか6歳ぐらいの時。蓼科かどこかに泊りがけで遊びに行き、そこで大きな犬に顔面をぱっくり噛まれたことのある私。左の頬にしっかりと噛まれた歯型が付くほどでした。
そんなことがあっても、私のイヌ好きは一向に変わりませんでした。私は、どこかで確信しています。ムツゴロウ先生さながらに、自分はたいていのイヌと心を通わせることができるのだと。トカちゃんとも、やはりそうです。

去年大きな手術をされてから、めっきり体力が落ちてしまったK吉おじいちゃん。なかなかトカちゃんをお散歩に連れ出すことができません。気候がずいぶんとよくなってきたので、Rに付き添って毎日のように遊びに行っているうちに、ふといい考えが浮かびました。
「K吉おじいちゃん、今度トカちゃんをお散歩に連れ出していいですか?」おじいちゃんは、最近自分がしてやれないからと大喜び。

最近やっと自転車の補助輪を外す気になったTですが、キックボードでバランス感覚を養っていたからか、ほとんど練習の必要もなくあっという間にスイスイと乗るようになっていました。
彼が学校から帰る時間になっても、九州の西日はなかなか落ちません。たいていは帰宅後に家の周りで自転車を転がすT。そんなTと一緒にトカちゃんを誘いに行ってみます。

                      

「トカちゃん!行こう!」と声をかけると、小屋の中で寝ていたトカちゃんははじかれたように立ち上がって尻尾を振りました。
ずっとずっと、ずっと飼いたくても飼えなかった犬。リードを引っ張られる感覚が、なんとも気持ち良い。
トカちゃんは道草を食いながら、またさっさとジョギングペースで走りながら、夕方の散歩を満喫している様子。道端にはあざみが咲いていたり、タンポポの綿毛が群生していたり…。私の日ごろの運動不足も、なんだか解消できそうな。

誘導なんかしなくても、ちゃんと自分の行く道を心得ているトカちゃん。それどころか「こっちだよ」と私を案内しているよう。そして約30分ほどの散歩コースを満喫し、ちゃ~んと自分の家まで帰りました。

K吉おじいちゃんもトカちゃんも、私もTも幸せになった嬉しい午後。雨でないときには、トカちゃん、またお迎えに行くよ!