GalleryCafe 月~yue~

「ギャラリーカフェ 月~ユエ~」のご案内

始めの一歩 平和展示

2014-07-13 17:34:12 | 日記
こんにちは。ご無沙汰しています。
台風8号は、広島は素通りでした。
でも、梅雨前線が刺激されたのか、翌日晴れただけで、再び雨の毎日です。

さて、8月5日(火)~10日(日)まで

ギャラリーカフェ月~yue~平和企画展示
     「希望を捜して」
  ~画家大木茂の見た「その日」から~

を開催します。

春にご縁のあった平松敦子さんの祖父、洋画家の大木茂さんの作品の中に、
原爆ドームの内部を描いたものがありました。
こちらです。

私が、この絵に強く心を打たれたので、
平松さんにお願いをしたところ、たいへん喜んでくださり
作品をお借りすることになりました。

大木茂の作品には、他に戦前や戦後の広島市内を、あたたかい色調で描いた作品が多数あり、
大木さんの広島を愛する気持ちが滲み出ているように思います。
彼が広島でもてはやされるようになってからの画風、色調とは全く異なり、とても素朴です。


そんな彼が、何枚も描いたドーム内部の絵は、元気な広島を描いた色調とは対照的で、
自らも被爆した大木茂の心の内が表れているように思いました。

そんな大木茂さんが自らの思いを、中国新聞に連載していたこともわかりました。
昭和28年頃です。

大木さんは、文章も大変お上手で、10回にわたり連載されていますが、
大変読みやすく、また目に見えてくるように生き生きと描写されています。
この手記と、ドームを描いた作品、そして広島の風景を描いた作品(戦前、戦後両方)で、
企画展示をすることにしました。
どんな形にするか、ほぼ考えはまとまりました。
いまは、大木さんの手記を読み込んでいるところです。


私は、両親とも岡山県の出身で、転勤族だったため、
広島には、通算で46年住んでいますが、
原爆のことを身近に聞くことは全くなく、
学校の平和教育の範囲で外側からの知識のみを受けて育ちました。

子どもの頃は、それこそ「戦争はいけないこと」、「原爆は、あってはならないもの」と、
子どもなりの理解を持って、平和は大切、と自分の中でわかっているつもりでいました。

しかし、自分の子どもが学齢期に達し、やはり同じような平和教育を受け、
いろいろ尋ねられた時、自分の持っている知識が単なる「知識」だけだったのだと、
本当によくわかりました。

それからの私には、「原爆」は、腫物でした。
何もわからないのに、軽々しく口にするなどもってのほか、という気持ちでした。

しかし昨年、あるきっかけから、被爆3世の方たちに、1世の方の思いや体験が
きちんと伝わらないまま、1世の方が亡くなっている、という状況があり、
広島市が、一般市民の方に、語り部になってもらおう、という試みが始まったと聞きました。
それを聞いて初めて、3世の方にも、私のような「よそ者」とある意味同じような悩みがあるのだ、と
わかりました。
「よそ者」の私も、自分なりの思いで、原爆について考え、話をしてもいいのかな、と
ようやく思えるようになりました。


私のような「広島在住の広島人」は、たくさんいると思います。
この企画展は、そんな一市民の始めの一歩です。
加えて、昨今の不穏な国際情勢、現政権の憲法解釈の変化と、慌ただしい今年の夏です。
小さなギャラリーの小さな企画展ですが、皆さん、それぞれに感じて考えてほしいと思います。
ぜひ、お越しくださいね。

また、期間中8月7日(木)14:00~
朗読とピアノによる、平和コンサート
を開催します。

朗 読  阿部律子
ピアノ  唯間桂子


会 費  1,500円(1ドリンク付)
お二人の息の合った朗読と演奏で、原爆体験記と原爆詩をおとどけします。

反戦の思いを、今こそ新たにしてほしいと思います。
よろしくお願いいたします。


今日のきなことげんげんは、お休みです。
写真を撮っていません。
ごめんなさい!