グラフィックディレクター 大里早苗 ブログ

東京港区のデザイン会社、グラフィックメイトの代表を務める大里早苗のブログです。

赤字は赤で!

2021-01-20 10:29:26 | 中小企業の広報誌制作
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
印刷物、特に冊子制作の場合、
  文字原稿や写真をレイアウト → お客様が確認
という流れになります。
レイアウトをすることで原稿のミスが発見されたり画像の位置やサイズを検討したりしやすくなります。それを見てお客様が修正指示を入れてフィードバック。いわゆる「赤字」をいただきます。

多くの場合文字は黒なので、修正指示はわかりやすいように赤で入れます。そのため「赤字」と呼ばれます。
実際には赤でなくても構いません。この「わかりやすいように」というのがポイントです。

現在制作している冊子は、お客様からのフィードバックが鉛筆で入っているのです。文字が黒のところに鉛筆書き、それがPDF画像で届きました。
消しゴムで消した跡なのかそれとも指示なのか分からない薄い書き込み、単なる確認済みと思われる「✔︎」マーク、内容検討中なのか「?」の書き込み。
修正箇所はどれなのかがとてもわかりにくいのです。

●見落とし、見間違いのないように指示はわかりやすい色で
●どのように直したいのかを明確に


正しい校正記号でなくって構いません。わかりやすい指示をすることは、良いものを遅延なく制作するポイントになります。

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色味が変わるマットPP加工

2019-01-28 10:27:55 | 記念誌・年史のあれこれ
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
ある法人さんの記念誌を制作した際、今回の記念誌に関連する言葉をデザイン的に表紙に掲載したい、というご要望がありました。いくつかご提案した中で採用されたデザインは、文字をあまり目立たないような濃度で地紋のように背景に散らす案でした。

「目立たないように」という濃度がなかなか難しく、プリンタ出力したもので「この濃度がいい」と言われても、印刷でそのとおりに出るとは限りません。本紙校正は必須だな、と思い印刷会社さんに相談したところ「マットPP加工でも色味や濃度が変わってしまうので、本紙校正だけでなくマットPP加工まで試した方がいいです」とのお返事。
PP加工とは、印刷用紙の表面にポリプロピレンのフィルムを圧着する加工で、保存性を高めるために本の表紙などはこの加工をすることが多いです。今回もその加工をしますが、普通のPP加工は光沢が出るのに対し、マットPP加工をすると落ち着いた印象になります。今回のようにわずかな濃度差で文字を見せようという場合は、これがどう影響するかがわからないから実際に試してみた方がいい、というアドバイスでした。
これを試すには費用がかかるのですが、クライアントさんのご了承をいただき、マットPP加工をしたものも作成してもらいました。


▲左がマットPP加工無し、右がマットPP加工をしたもの。背景色や文字の見え方が変わりました。


あがってきた色校正は、マットPP加工をしたもの、しないもので色味や文字の見え具合が異なりました。クライアントさんにも加工前・加工後をご覧いただき、ご納得いただいてデザインが確定しました。

年史や記念誌のように何年にもわたって読んでいただきたい、保存していただきたいというものは、ぜひきちんとした色校正をとりたいものです。

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ページ番号の振り方

2018-12-25 13:51:36 | DTP覚え書き
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
冊子制作のご依頼をいただきデザインを進めています。本文に加え目次や巻頭のご挨拶なども入り、冊子全体を通して見直しています。
この冊子は横書き・左綴じなので、表紙を開いた左ページを2ページとしてノンブル(ページ番号)を振ったところ、クライアント様より「左ページを1ページとしてほしい」とのご要望が。

横書きの場合は基本的に左綴じで、表紙を1ページと数えるので表紙を開いた左ページが2ページ、その右ページが3ページとなります。縦書きの場合は右綴じが基本で、表紙を開いた右ページが2ページで左ページが3ページとなります。
書籍制作でも同様で、目次や口絵など部分的にノンブルを振らないページがあったとしても、左綴じの場合は左ページが偶数・右ページが奇数、右綴じの場合は右ページが偶数・左ページが奇数になるようノンブルを振るのが基本です。



▲左綴じか右綴じかでページ左右の偶数・奇数が変わります。

今回はクライアントさんのご希望に従って、左綴じではありますが左ページを1ページとしてページ番号を振ることになりました。
冊子制作・書籍制作をされる場合の基本をご理解いただき、今後はページ番号の振り方もご検討いただけると良いと思います。

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ルビを振る基準

2018-08-06 10:51:47 | DTP覚え書き
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
ある研究所の中学生向け冊子制作のご相談がありました。中学生向けということで、内容は平易な文章で執筆し漢字にはルビを振ることになりました。がしかし、「漢字にルビを振る基準」というものが難しいのです。
参考に、とある自治体が中学生向けに制作したパンフレットを見せていただきました。


▲ある自治体が中学生向けに制作したパンフレット


「このくらいは読めるんじゃないかなぁ」と思うような漢字にもルビが振られています。それと、熟語のようなものでも1文字だけにルビを振っているのですね。
一方、娘から借りた教科書がこちら。1年生から3年生まで使うものだそうです。


▲中学の3年間で使用する教科書

自治体パンフレット、教科書とも「状況」という漢字が出てきますが、ルビの振り方が異なります。自治体パンフレットでは「況」にだけルビが振られていて、教科書は「状況」に振られています。それぞれどういった基準でルビを振っているのか? 教科書は何かきちんとした指針があるのか?

ちょっと調べてみたところ、文部科学省の委嘱事業に「教科書の改善・充実に関する研究事業」というのがあり、その中に「漢字表記、提示の仕方を改善・充実させる」という項がありました。一部引用させていただきます。

以下、引用-------------
配当学年にない漢字でも、上学年の漢字をつかいルビ付き表記をしている例は多い。今後も、配当漢字にないが、学習や日常生活で必要な言葉は児童の負担にならない程度に漢字を使用するべきと考える(例えば、「疑問」の「疑」は6年生、「問」は3年生の配当であるが、3年生で語彙として初出のときは「ぎもん」と平仮名表記、上学年になるとルビ付きで示されている。)。日常生活で使うことを考え、ルビを付け漢字表記をすることが言葉の獲得につながると考えるため、できる限り上学年の漢字をルビ付きで使用するよう柔軟に取り上げるべきである。
-------------引用ここまで。

これからすると、今回のように「中学生向け」というものでは、中学3年生までに学習する漢字は中学1年生にも読めるようにルビ付きで表記する、ということになるのでしょうか。となると、小・中学生で学習する漢字はどれか、ということを知っておく必要がありそうです。そのうえで「この冊子はどういう基準でルビを振るのか」という方針を決めて編集していったほうがよさそうです。

対象読者に適した冊子制作、今回の事例も大いに勉強させていただきます。




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