グラフィックディレクター 大里早苗 ブログ

東京港区のデザイン会社、グラフィックメイトの代表を務める大里早苗のブログです。

片手袋研究入門

2020-03-09 10:30:51 | 小さな会社のひとりごと
東京港区のデザイン会社 グラフィックメイトの大里早苗です。
『片手袋研究入門』という本をご存知ですか。面白そうなタイトルだと思いませんか。私も家人に薦められて知ったのですが、本当に面白い本なのです。

内容はズバリタイトルそのまま。街中や道路の端に落ちている片一方だけの手袋について、作者がその研究成果(?)をまとめた本です。ニヤニヤ、クスクスしながら読みました。
作者の石井公二さんは2004年以来、5000枚近くの写真を撮り続けてきたそうです。その写真に撮られた片手袋ひとつひとつの来歴に思いをはせ、共通点を見出し、元々の手袋の使用目的やそこにあった時の形態、状況などを考察し、分類方法を考案するなど研究と言えるのか言えないのかギリギリのところが数多くの写真とともに掲載されています。

分類の一例には、落ちているままに見える放置型と、落ちていた手袋を他の人が目立つ所に置いてあげたのではないかと思われる介入型という別があります。ここで感心したのが、「片手袋は一般的に落とし物として現れるが、一方で拾い物でもあるのだ」という指摘。ただもっともらしく語っているだけとも思えるのですが、その視角の異動にハッとさせられました。
実は、この本全体が“視角の異動”に貫かれたものです。2013年には、この成果が神戸ビエンナーレ「アートインコンテナ国際展」に入選、奨励賞を受賞しています。
日常にあるものを新たな視角から見ることで、異なる価値観を提示する。私が携わるデザインという仕事の基本中の基本でもあります。私もお客さまに、斬新な視角の変化を提案しなければと、気を引きしめるとともに、ちょっとユニークな提案もしていきたいなと思いました。

ところで、この本を薦めてくれた家人もつい最近手袋を落として片手袋の制作者になりました。はてさて、その片手袋は今どこでどうしているのやら。


残された片手袋

作者、石井公二さんのサイト『片手袋大全』のURLはこちらです。




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