蒼の彼方

サッカーと野球を中心に各種スポーツの事を。

裏金

2004-10-24 21:36:59 | スポーツ
横浜と阪神のオーナーが辞任しました。
理由は明治大学の一場投手に対する「食事代」などと銘打った金銭の授受があった事が明るみに出たからです。

細かい経緯などは新聞や週刊誌で詳しく述べられていますが、一番の問題はそうした金銭の授受が公然と、あたかも当たり前であるかのように存在する事です。
「入団濃厚」とされていた巨人が手を引いた後一場獲りに手を上げていた阪神と横浜にも金銭授受の事実があったという事。これは新聞などで「●●選手は、巨人とヤクルトが手を上げているがおそらく巨人を指名するだろう」って言うのは「●●選手は巨人とヤクルトからお金を受け取ったが、おそらくたくさんお金をくれた巨人を指名するだろう」って意味だったのかと思ってしまいますよね。
そして、この「自由獲得枠」と言うわけのわからないシステムがいつの間にか出来上がっている背景には「巨人に選手を集めたい」って言う思惑が働いているのは、誰が見ても明白なわけです。
だから滝鼻さんは言うんですよ。「必ずしも“自由獲得枠”だけが悪いわけじゃない…」って、悪いんですよ。
確かに、いい選手がほしいって言うのはわかります。
しかし、そうして取ってきた選手を巨人はちゃんと育てていますか?
高校卒業したての選手がすぐに活躍できるほど、プロ野球は甘い世界じゃないです。しかし、大学卒の選手がすぐに活躍できるならその年齢の高卒選手が育っていてもおかしくないですよね?
それなのに、巨人は育てていますか?
高卒の生え抜きの選手なんてしばらく見ていないような気がしますし、ドラフト一位選手以外活躍を見ていないような気がします。だったら自由獲得枠以外は選手を指名しなくてもいいじゃないですか。育てる気がないんなら。
徳光さんがジャイアンツ球場に通い二軍の練習試合を見て、○○と言ういい選手がいるんですよ、と言うのをフロントはちゃんと聞いたことがありますか?ファンは、大物外国人もよそのFA選手も本当は欲しくないんです。巨人で育った選手を応援したいんです。
同時に、他のチームの選手にも言いたい。お金はもらえるかもしれないけど、それだけでいいのかと。人気のある球団で、たくさんのお客さんの前でプレイしたいって言うのはよくわかりますが、そんな人気球団を叩く喜びだってあるはずだと思うのはファンの幻想なのでしょうか。
「ドラフトを完全ウェーバーにして、FA取得期間を短縮する」
素人だって簡単にかんげられる事を、なぜ真剣に考えてくれないのか。
オーナーが選手や野球界の事じゃなくて自分達の事しか考えていないからですよね。
で、そのオーナー達って本当に野球を愛していますか?
自分の球団が好きなだけじゃないのですか?
いいえ、自分の球団を愛してくれているならまだいいです。
オーナーも、球団社長も、「親会社からの出向」でやっているだけじゃないのですか?
石毛さんが「四国リーグ」を立ち上げたのには盛大な拍手を送りたいですね。

雑誌にこんなコラムがありました。
「地域密着とよく言われるが、今のプロ野球には地域密着の意識は薄い」という内容です。
選手、あるいは監督・コーチ、球団関係者には「地域貢献」の意識はあるんだと思います。しかし、お金を出す側にはそれは存在しないんです。理由は一つ、「目指せ全国区、目指せ知名度アップ」がプロ野球保有の意義だからです。
だからプロ野球は「身売り」と言う現象がついて回るんです。
あまりにも巨額な宣伝広告費は、そう長い事続かないんですよ。初めから黒字なんて目指していませんから、選手の年俸高騰にも今回のような不祥事にも無頓着にお金を使い続けてきたんです。
しかし、日本中に蔓延してる不況の嵐は未だにバブルの幻想の中で存在し続けている「プロ野球」を許してはくれないんです。
サッカー(Jリーグ)と、日本のプロ野球を同じ秤にかけることは出来ません。
しかし、オリンピックで野球が一番になれなかったという現実をファンも関係者ももっと正面から見詰めなければならないんじゃないかと思います。

なぜ、長嶋さんがあれ程「全日本」にこだわったのか。

全ての関係者が、その意味をもっとよく考えて欲しいですね。