移動平均線にはいくつかの種類がありますが、よく使われるのは単純移動平均線SMAと指数平滑移動平均線EMAでしょう。SMAは期間中のすべての数値を同じ重みで扱い、EMAは現在に近いあとの方の数値に重み付けをして計算します。
SMA20とEMA20を表示させてみるとSMA20の方が少しゆっくり変化することがわかりますが、そんなに違いはありません。(ピンクがSMA20、黄色がEMA20、クリックで拡大)
しかし、複数の異なる期間の移動平均線を重ねてみると違いがわかります。
左がSMA、右がEMAです。
EMAはきれいに収束し、きれいに広がっているのに対し、SMAはそうなりません。
これが自分がEMAを使う理由です。見た目がきれいであるということは、チャートを読み取るのに有利に働きます。
期間20を使用する理由は、多くのトレーダーがSMAでもEMAでも期間20を使用しているからです。ボリンジャーバンドも期間20を使用する人が多いです。
トレンドが出て一時的な調整=押し・戻りに入り、そこから再びトレンドに戻るときにエントリーするのが自分の手法です。いわゆる押し目狙い、戻り狙いです。
しかし、本来のトレンド中の調整が短時間で終わらずにしばらく続くことがあります。たとえば5分足や15分足での調整は、1分足で見ているとトレンド転換して値が動いているように見えます。
そんなときは5分・15分での逆行トレンドラインのブレイクを待って、そこから戻った最初のトレンド方向の押し目・戻りを待つのも一つの方法ですが、逆行がしばらく続くならばその途中でその方向に入ることもできます。上位足の調整を取ろうということです。
自分はあまりやりませんが、やるとときには以下の点を心がけます。
1.すぐにトレンドが終わるかもしれない
2.大きな値幅を取れないかもしれない
つまり、上位足での逆行を取ろうとするときには、さっと入って少なめの利益を確定して逃げるということです。普段10pipsは以上を狙っていますが、この場合は5-6pipsで逃げます。
でも、自分が一番いいと感じるのは本来の強いトレンド方向には入れるまでじっくり待つことでしょう。待つも相場といいますからね。
過去チャートで自分の手法を検証した結果、逆行のトレンドラインブレイクを待ってその次のEMA20タッチで入ると遅れるケースがけっこうあることが確認できました。特に勢いがある相場ほどEMA20まで戻らずに進んでしまうことがあります。
そこで、逆行入りが確認できたらその途中で高値・安値がトレンド方向に更新されたらその次のEMA20タッチ・ブレイクで入るということも選択肢に入れてみようかと考えています。
このチャートでは、1と3の安値を結んでトレンドラインを引いたとして、ブレイク後のEMA20タッチは5まで待たなくてはなりません。
しかし、見方によっては2の安値を3の安値が更新しているので、そのあとのEMA20タッチ・ブレイクの4でショートエントリーするという考え方です。
このチャートは下落の勢いが強いこと、4で直近の高値を(明確には)上に抜いていないこと、などが観察されるのでそれも判断材料に入れています。
この考え方がうまく行く場合と、トレンドラインブレイクを待った方がいい場合があると思いますが、それは総合的な裁量で判断するしかないと思います。