有機化学にっき

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Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 1147-1151.

2006-02-21 07:03:53 | 新着論文
Chirally Aminated 2-Naphthols-Organocatalytic Synthesis of Non-Biaryl Atropisomers by Asymmetric Friedel-Crafts Amination

cinchonaアルカロイドを触媒とした2-ナフトール誘導体とazodicarboxylateとのアトロプ選択的反応。1位が窒素化される。8位へアミノ基を導入することでアトロプ異性体を安定に扱う。

非ビアリル型のアトロプ異性体として、オルト置換アミド、アニリドがあるそうです。その誘導体でナフチル骨格でアミドは報告されているけれどもアニリドは報告例がなく、不斉配位子として興味がもたれていて、今回ワンステップ、Friedel-Crafts型の反応で合成を報告。
触媒自体(DHQ,DHQD)が基質として同様のアミノ化が起こり、そのアミノ化された触媒を用いると>94% eeで反応が進行。
生成物はその官能基を利用して誘導体化が可能。

生成物の異性化を抑える工夫、触媒の最適化と話の流れが面白かったです。生成物の不斉配位子としての展開や、骨格をフェニルと単純化できたりしたらと先が面白い反応だと思います。

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