東京グリンツィング シェフブログ

フレンチレストランのシェフが紹介する季節の料理と食材

フランス産栗のモンブラン コニャック風味

2007年11月27日 | デザート

本日は、デザートの一皿をご紹介します。

フランス産栗のモンブラン コニャック風味です。

モンブランは、この時期に必ずメニューに入れる定番の一皿ですが、今年も去年からヴァージョンアップして登場です。

今回も色々なお店のモンブランを食べて研究しましたが、色々なヒントは見つかっても、最終的には自分の味覚で表現しなければいけない事を改めて感じました。

あくまでも自分の完璧を目指すのであって、他人との単純な違いは本当のオリジナリティとは違う気がします。

そんな中で、今年のモンブランは生まれました。

見た目は去年にご紹介したモンブランと同じ様に見えますが、一つ一つのパーツはすべて変わっています。

一番上のマロンクリームは、フランス産マロンペーストを牛乳とラム酒でのばした物でしたが、より軽い味わいと食感のマロンクリームとホイップクリーム、コニャックを合わせた物に変え、以前は中にヴァニラアイスクリームを入れていたのを、コニャック風味の栗のアイスクリームにしています。

そのアイスクリームの上には、甘さ控えめのホイップクリームをのせてからマロンクリームを絞っています。

一番下の焼きメレンゲも、プレーンな物からアーモンドパウダー入りに変えました。

今回の焼きメレンゲは、最後にグラニュー糖を生地に加えていますので、キャラメル化したシャリッとした食感と香ばしい味わいが加わり、とても美味しくなりました。

全体的には、以前の濃厚でしっかりした味わいから優しく繊細な一皿に変化していますが、香りや食感のコントラストは強くなっていますので、食べた後の満足感は高くなっています。

盛り付けもシンプルに、飾りらしい物は付けずに最後に粉糖を振るのみですが、静かな冬の山に粉雪が舞っているようで幻想的な雰囲気になりました。

 

故郷が新潟ですので、寒い冬や雪には沢山の思い出があります。

自分が小学生の頃に、父親がスキー場によく連れていってくれた事を憶えています。

自分にとってこのモンブランは、ヨーロッパの山ではなくて、あの時の新潟の雪山なのかもしれません・・・

 

これからの季節にピッタリの自信作です。