東京グリンツィング シェフブログ

フレンチレストランのシェフが紹介する季節の料理と食材

キンメ鯛のポワレ オリーブオイルソース

2006年09月12日 | メインディッシュ

本日は、お客様に人気のお魚料理をご紹介します。

キンメ鯛のポワレ オリーブオイルソースです。

キンメ鯛は、個人的に大好きな食材の一つです。

和食の煮付けも美味しいと思いますが、脂ののったキンメ鯛をオリーブオイルで皮がパリッとなる様に焼くと、とても美味しいです。

フランスでは、ルージェと言うお魚をよく使います。日本ではヒメジになると思いますが、あまり一般的には流通していません。代わりにイトヨリをルージェとして使う人もいますが、全く別の物だと思います。

そんな中で、とてもルージェと近いと思うお魚がキンメ鯛です。色も綺麗な赤色ですし、皮の薄さや身の脂ののり方と香りも、とてもよく似ていると感じます。

火を通すと、他の白身魚とは違った独特な味の濃さと風味が出てきます。

今回の仕立て方は、ポワレしたキンメ鯛の身とカマの部分に、ソテーした季節野菜と、フュメドポワソン(お魚のダシ)にオリーブオイルを加えて、ハンドミキサーで乳化させたソースを添えています。そして仕上げに、香り付けのアネットを飾り、周りにエキストラバージンオリーブオイルを少量かけています。

お魚のソースと言いますと、バターソースがよく使われますが、暑い時期には少々しつこいように感じます。今回のようにオリーブオイルを代わりに使う事で、コクが有りながらサッパリとした味になり、とても気に入っています。

最近の流行のように、必要以上に軽くする事によって、美味しさまでもが軽くなるのは良くないと思いますが、せっかくの新鮮で良質な食材ですので、その持ち味を引き立てる事が出来、なおかつ現代人の求めている軽やかなソースを作っていきたいと思っています。