たわいもない話

かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂

砂電車の冒険 (2)

2008年11月11日 17時48分59秒 | 砂電車の冒険
砂 電 車 の 冒 険  ( 1-2 )

五月のさわやかな風が吹き抜ける穏やかな日曜日のことです。
居間のソファーに腰掛けテレビを見ていた陽朗さんが、渚君を寝かせ横で洗濯物をたたんでいた砂千子さんに向かって
「ママ、来週の土曜日みんなで潮干狩りに行ってみない?」
砂千子さんはソファーの陽朗さんを振り返ると
「子供たちもきっと大喜びすると思うわ!」
“ニッコリ”答えました。
砂千子さんはキッチンテーブルで、電車のペーパークラフトを作っていた海人君に
「海人、来週の土曜日、パパが潮干狩りに行かないかって、どうする?」
作りかけのペーパークラフトをテーブルの上に置いた海人君は
「僕も潮干狩りに行きたいよ!」
はずんだ声で答えました。
海人君はさっそく奈美ちゃんに知らせようと、家の中を探しますが姿が見えません。
「ママ、奈美は何処にいるか知らない?」
「さっきまで人形を持って、おもちゃの部屋で遊んでいたわよ」
海人君は外に出ると家の周りを探しました。
すると奈美ちゃんは庭の赤いチューリップの前に座り、もみじのような可愛い手で、チューリップの花びらを包み込むようにして眺めていました。



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