歯科矯正に使用する装置で、取り外しできるプレート型の装置は、床矯正装置と呼ばれていて、歴史的にも昔からあるものです。
歴史が長い分、その利点欠点、適応範囲、限界などは明らかになっています。私も、20世紀にはあらゆるタイプの床矯正装置を使い倒しました。
最近はこの装置のうち床拡大装置というのが流行っていますが、適応範囲を理解して、使うのが重要と思います。
私は自身で作製していますが、歯型をとって矯正専門の技工所に依頼すれば、綺麗な装置が出来上がってきますので、歯科医としては簡単、楽です(作製する側に回ると手間のかかる作業です)。
いわゆる矯正治療のイメージで一般的なマルチブラケット装置は、三次元的に色んな歯の移動ができますが、装置として複雑というイメージはありますね。
床矯正装置は簡単な分、簡単な治療しかできないというのが一般的ですが、症例と時期を選べば色んなことがマルチにできる場合があります。
詳しくはまた実際の例でお話ししますが、例えば上下の永久歯が出そろった時期。噛みあわせが深くて上の前歯が前方に傾斜、上の歯並びが狭くて、出っ歯に見える。
このような場合、初期治療として床装置で同時に改善可能です。
初期治療ですべて解決はしないこともありますが、放置してより重症化、奥歯の噛み合わせもずれてくる、など骨格的な不正が大きくなると歯を抜く矯正治療にも移行します。
トータルな治療期間は長くなりますが、初期治療(第1期治療)が有効な例では、早めの介入をおすすめしたいところです。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam
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