矯正治療のご希望で、数年ぶりに来院した中学生の患者さんです。
上の前歯の歯並びが気になるとのことです。
確かに上の前歯付近が審美的に問題ではあります。
歯科医的により問題と思うのは、上下の前歯が噛み合っていない開咬であることです。
前歯で物を噛み切ることが難しいので、多分食べ方は不自然でしょう。
また、カ行、サ行、タ行、ラ行など舌の先を口蓋の前方部に接触させて発音する音も、舌が前に出過ぎて不自然な発音になります。
いわゆる滑舌が良くないということになります。
舌小帯が短く舌が上がりにくい場合も、同様な発音に影響が出やすくなります。
この患者さんは奥歯の噛み合わせがほぼ良好なので、 上の前歯のスペースを閉じ、下の前歯の若干のデコボコを改善し、さらに上下の前歯の高さをコントロールすれば形態的には治癒します。
ただし、滑舌悪い歴が10年ほどはあると思われますので、発音時の舌の位置を意識して改善していかないと、後戻りも考えられます。
このように、口腔周囲の舌や口唇の機能と関連した歯並び噛み合わせの問題は、矯正治療である程度機能改善は期待できますが、形態を良くすれば全て機能もついて来る訳ではありません。
矯正治療後の長期経過を考えた場合、そこが悩ましいところです。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam
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