福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

小児歯科矯正治療~咬合誘導の良いところ

2007-10-15 | 歯並び、矯正の話

この写真は永久歯前歯が出揃った小学校3年生くらいの患者さんですが、一般的にも、大きい永久歯は出てきているが歯並びの成長変化が追いついていない時期です。
したがって、表現形は様々ですが上下前歯とも多少のデコボコや捻れなどがあっても時期的な特徴と言えます。歯磨きもしにくい時期で、年齢的にまだ本人の歯磨き技術も不十分ですので、乳歯の時期にはなかった歯垢による歯肉炎や歯石が見られ始める時期でもあります。
この患者さんは、上の歯並びが良くないのが目立ちますね。歯型をとって歯のサイズを測ってみると、上下前歯とも永久歯が大きめ。向かって左上側の2番目の歯が内側から出てきており上下逆に噛んでいますね。他の上の前歯はハの字に広がった状態でもあります。
上の2番目の歯は、若干内側から出て来るケースは少なくないのですが、歯が大きめであるとスペースが不足してより内側から出てきますので、この写真のようにしっかり逆にかみ合って自然には良くなりません。向かって右上2番目のように、多少ハの字でも外側に出て来れば、両隣の歯を押し広げる作用で、真ん中のスペースが閉じたり、左右の乳犬歯間(3番目の乳歯)の幅が広がったりと、自然の改善作用があります。
この時期の歯科矯正治療は装置で歯をきちんと並べるというよりは、この自然の改善作用を助けるというようなポリシーで行っています。
すなわち、歯並びの左右幅を簡単な装置で広げつつ、出来たスペースに2番目の歯を押し出すというやりかたです。前歯の捻れがある程度以上でしたら、その後捻れやデキボコ、隙間なども改善する装置を暫く使用します。
すなわちちょっとレールから外れかけた状況を元に戻して、うまく走り続けられるように助けるという考え方です。
全て永久歯になるのは小学校終わり~中学校初めくらいですから、途中は休憩して、再評価の後、さら全体的治療が必要かどうか判断しますが、早期治療のみでよい場合も結構ありますし、全体治療が必要な場合もより簡単なケースになることが多々あります。
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