福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

虫歯治療と予防のバランス

2022-07-26 | むし歯予防の話

20世紀は現在と比べて虫歯ははるかに多く、また予防分野も未発達で、歯科医はひたすら虫歯治療の時代でした。
小児歯科は定期健診と予防のシステムが比較的早く取り入れられた分野でしたが、虫歯治療も多く、予防は治療の後の付け足し的存在でした。
最近は成人の方でも、歯周病予防で定期健診を受けている割合が多く、虫歯歯周病ともに予防が一般的になりました。




当院でも定期健診で来院される患者さんが殆どで、予防がメインの流れの中で、虫歯治療や矯正治療があります。
虫歯予防学が科学的にも臨床的にも進化して、削らなくても予防で済む割合がいかに多いか明確になってきています。
このように時代とともに、虫歯治療と予防のバランスは予防にシフトして来ました。



初期虫歯を早期発見して、予防サイクルに組み込むことはもちろんですが、削らないがゆえに、見えない部分で進行する虫歯には用心です。
定期健診で経過観察可能なゆえに、できるだけ削らない方針がとれますが、削らない原則でも、必要な場合は迅速に治療に切り替えます。
hidden caries と呼ばれるものが、なかなか予防が難しい虫歯ですが、その発見とマネジメントが上記の最新刊に記述されていました。
これは奥歯の溝部分の深いところで時間をかけて内部に広がる虫歯で、入り口部分が狭いため発見が遅れます。
シーラントでも予防不可という印象はありますが、臨床研究では10%前後の患者さんが有するというデータがあります。
初期虫歯の診査をより丁寧に行うことで、このような虫歯の早期発見に繋がると思います。


ふたつき子ども歯科  http://fc-dental.jp.net

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