異所萌出と呼ばれて、通常上の第１大臼歯が出てくる時に、前傾して手前の第２乳臼歯側に潜り込むことがあります。
第１大臼歯が引っかかって出にくいとか、第２乳臼歯が早めに抜けてしまう問題が起こります。
上の第２乳臼歯は、通常は最も最後に第２小臼歯と生え変わる歯です。早く乳歯が抜けてしまうともともと前傾した第１大臼歯がさらに前に移動して、第２小臼歯が出れなくなってしまいます。
この患者さんもそのような例で、以前大学病院で部分矯正を受けましたが、その後の受診が途絶えて早期治療が無駄になっています。
X線写真の右上から3番目が第２小臼歯です。両方の永久歯に挟まれて、全く出るスペースがありません。
因みに反対側は最近生え変わった時期です。
言い換えれば、歯が出るスペースを作れば、自力で歯が出てくる時期とも言えます。
この患者さんは反対咬合系の骨格もありますので、いずれ全体的矯正治療が必要でしょうが、まずはすべての歯を揃えるのが先決です。
前に倒れた第１大臼歯を、部分矯正で早期に押し戻してスペース確保するのも良いとは思いますが、勝負が早いのはこの時期からのスタートです。
患者さんは遠方で通院が数か月おきのため、若干時間がかかりました。
奥歯部分だけの部分矯正でスペースが出来て、少し内側からでしたが第２小臼歯が出て来ました。
その位置を改善してしばらくそのまま固定。第２大臼歯も出てきて永久歯列が完成で、一旦終了です。
ビフォーアフターを比べると、写真の向かって右上が１個歯が増えたように見えますが、これが正常です。
今後は、数年間下顎成長を観察しながら、定期的来院が可能なら噛み合わせの治療となります。
只今のBGMはテイラースウィフトのリメイクアルバム、RED。
彼女は本当にメジャーですが、アメリカンカントリーポップ的で全く興味なしでした。
ところが昨年末あたりのforkloreやevermoreのアルバムで、成長進化したように感じました。
REDの曲も、今の彼女が歌うと違いますね。
ふたつき子ども歯科 http://fc-dental.jp.net
