上の前歯部分の乳歯の生え変わりがスムーズにいかず、永久歯の位置異常が起こっていた例です。
まずは乳歯を抜歯して、永久歯が誘導されて出て来るのを観察しました。
乳歯抜歯後10か月でやや下方に移動して、歯の先端の膨らみが認められて来ましたが、自力では出て来ません。
開窓といって、歯茎部分を一部切除して出て来るのを助けます。
位置は良くはありませんが、年齢的にまだ出る力はありますので、次第に出て来ます。
この間、6か月ほど。
隣の2番目の永久歯が先に出て来ているので、並ぶスペースが若干不足気味です。
この時点で、上の前歯6本にブラケット付けて、位置異常の歯のスペースをつくりながら、下方に移動していきます。
そして10か月後、良い位置に移動して治療は終了。
後戻りしにくいように、前歯4本間は透明の接着剤でしばらく固定します。
移動した歯の歯茎のラインが高めですが、将来的には隣接した歯のラインが揃ってくるはずです。
他の歯は厳密にはまだ完全には出ていないと考えると良いでしょう。
あまり早く移動すると歯茎のラインが高くなることもあると言われていますので、あえてゆっくり移動する配慮が必要です。
不具合の歯が出るようにタイムリーに対処するのを、小児歯科分野では咬合誘導と呼んでいます。
その中で、手段として一時期、矯正装置が必要になったりします。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam