福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

重宝してます

2011-10-01 | 虫歯治療の話

グラスアイオノマーセメントと呼ばれる歯科材料があります。これは現在使用されているセメントといわれるものの中では比較的新しいものです。
歯科でセメントというと一般的には詰め物を歯に接着する用途に使われます。しかしこのグラスアイオノマーセメントというのはなかなか多用途でスグレ物なんです。もちろん詰め物を接着するセメントとして、金属に対する接着力、刺激の少なさ、材料自体の強さなどの面で優れています。加えて詰め物や予防のシーラント、知覚過敏の歯のコーティング材としても使用できます。元来フッ素を少しずつ放出しますが、歯磨き剤などのフッ素を取り込んで貯蔵し、さらに少しずつ出し続けるという、特にシーラントとして、そして初期虫歯の進行抑制に効果的なものです。
最近グラスアイオノマーでは世界的にメジャーな日本のメーカー、GC社から Fuji9 Extra という今までのFuji9 が改良された新製品が発売されたとのこと。このFuji9 は、通常の歯科治療の設備が整っていないような途上国で、虫歯部分のみを器具で除いて、そこに詰める材料として開発されたものです。治療レベルとしては設備環境が整った環境には及びませんが、治療環境が整わない場合にはなかなか有用な材料です。ですから、日本のような設備環境が整った歯科業界では中途半端な材料と思われがちだったと思います。
しかしながら、高齢者の訪問診療、障害者や小児で歯科の器械を使うことが出来ない場合を考えると、この材料が重宝するわけです。理想的治療はできないかもしれないけれども、治療が無理だから様子をみる、というよりもはるかに良い選択です。
当院でも特に低年齢児のシーラント、神経に至らない範囲の虫歯については無理に器械を使わず、この系統の材料で1次的に治療して、経過を観ながら次の理想的最終治療を考えるという患者さんは少なくありません(段階的歯科治療と呼んでいます)。何しろ患者さんにとって無理がなく、フッ素が出るため予防的でもあります。
Exstra という名称ですから、若干値段は高いのですが、試用すべくオーダーしたところです。





当院での処置にはいろいろ役に立っているグラスアイオノマーです。
処置が簡単ということは、歯科医側も楽ですが、何よりも患者さんが楽、ということです。






ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/
              http://www.futatsuki-dental.com/

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