福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

カリオロジーを臨床で実践する

2019-10-02 | カリオロジー

カリオロジーとは歯科分野で、わかりやすく言えば「むし歯学」と訳すことができます。
虫歯の原因とか予防とかに関する学問分野です。
この分野、21世紀初めにはほぼ出来上がっていて、あとはそれを臨床に応用して実践するだけというのが実のところ。
このブログでも虫歯ネタは少なめですが、実は虫歯予防はネタ切れということなんです。
私の環境では虫歯は減少していて、それを実感しているのですが、それでもまだ1990年代のニューヨークには追いついていません。
当院はベターな方で、まだまだ地域格差も大きく、重症虫歯の人口も多いと聞きます。 


 


当院の受付の歯科用品販売コーナー。
歯ブラシや歯磨き剤、フロス、キシリトールタブレット、フッ素ジェルなどが並んでいます。





 10月1日から消費税率がアップし、軽減税率の対象外です。
価格改定がありますので、受付のNさんが、今日は製品紹介と価格のポップを作り変えてくれていました。
虫歯が多い人は歯間虫歯が多く、他の部位に虫歯が無くても出来やすいのが歯間虫歯。
数多くの研究や論文で明らかなのは、虫歯予防に最も影響が大きいのはフッ化物の使用です。
食生活、歯ブラシも重要ではありますが、フッ素塗布や家庭用フッ素ジェルの使用、そしてフロスの習慣化。
これが虫歯予防のキモです。フッ素入り歯磨きの場合、うがいをしないか控えめというのもポイントです。
当院にも、色んなフレーバーや味の家庭用フッ素ジェルを置いています。
フロスの習慣化は、成人になって歯周病予防でも重要になりますので、歯間の歯磨きはフロス、と考えて皆の常識になると良いのですが。 





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虫歯リスクの原因

2018-07-03 | カリオロジー

今日は早めに帰宅したので、自宅でちょいと勉強もしています。
最新刊の小児の虫歯予防関連の専門書です。
小児とか虫歯予防とかの分野はかなり理解しているつもりですが、最新刊が出ると知識考え方の確認やアップデートという意味で読んでいます。


 


執筆者の一人、鹿児島の奥先生のパート。彼がよく使っているステファンカーブ。
ムシ歯菌が活動して酸をつくり、PHが5.7以下になると歯が溶け始めるという、クラシックなモデル。
フッ素を使用しているか否か、歯が出て来て間もない時期で未成熟か否かなどの変動要素はあります。
このモデルが発表された頃は再石灰化という概念はありませんでしたが、それでもPH5.7以下の時間が長ければ歯が溶ける、すなわち虫歯リスクが高くなることは変わりません。
当院でも歯科衛生士が患者さん指導でよく話していることですが、ダラダラ食べ、頻回のおやつは控えましょう、という考えのベースになっているのが、クラッシックでも普遍的な、このステファンカーブです。 





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むし歯予防の食生活

2018-05-17 | カリオロジー

最近購入した「食育とむし歯予防の本」。もちろん私たち歯科医療者だけでなく、保護者の方も読めて、なかなか情報豊かな本です。歯みがきとむし歯予防では第1人者の丸森先生監修です。就学前くらいの小児をメインに食育、そして食生活と歯磨きを中心に虫歯予防について解説してあります。





虫歯予防を中心に考えると、現代ではもっとフッ素の話題も欲しいなと思いましたが、食育中心で、口腔育成とかと言う言葉もありますが、歯科の原点を再認識する内容です。





実際には虫歯学の面から考えると、フッ素の予防効果は大きいものです。
日本は砂糖の消費量が多い国ではありませんが、フッ素入り歯みがきの普及が遅れたのがむし歯減少が遅れた大きい原因と言われています。
とはいえ、基本である歯みがき(フロス含む)や甘味食品の摂取量や頻度というのも、もちろん重要です。
酸性度が高く糖分が多く含まれている飲料、歯に残りやすいとか長時間お口の中にある種類のおやつなど、ある程度順位づけはできます。
また、年齢に応じた砂糖分の摂取量と言うのも、虫歯との関連だけでなく食のバランスや健康と言う面で重要です。
この本に書かれているおやつの適正量というのも、実際的で有用ですね。
今日は休診日でしたが、福岡ベース企業、エフコープからウェブサイトに掲載したいと言うことで2時間ほど取材を受けました。
虫歯予防の3つの柱は歯みがき(フロス含む)、フッ素、食生活という話をしたのですが、虫歯ハイリスクの患者さんで来院時に一番分かりにくいのは、日常の食生活です。
甘いものあれもだめ、これもだめというのは現実的ではありませんので、患者さん側に指導をするうえでは、他の予防手段も考えたバランスの良いトータルカリオロジーの知識が重要と思います。
さらには、通常の食事も含めた食育と言う面では、虫歯予防と言う観点のみではなく、歯科医療従事者はもっと食のプロにならねば、と思う次第です。





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今日は撮影

2018-05-03 | カリオロジー

TNCの子育て支援番組「はぐはぐ」で小児歯科担当を任されています。今年度も番組継続と言うことで、6月7月にオンエアー予定分を、今日の休診日に診療室で撮影。
いつものとおり3本まとめ撮りで、最近は慣れて来たとはいえ、やはり疲れます。
昨日は知人がやっている小料理屋で長男、家内と3人で家族宴会を遅くまでやっていましたので、今日の調子が若干心配でした。
予定の1時間半ほどで、無事終了で、ほっとしました。





今回のテーマは、虫歯になりやすい飲み物、おやつなどをメインにしました。
あまり厳しく考えると、あれもダメこれもダメになりますが、基本はだらだら食べ飲みをしないことです。
節度ということです。
また、歯みがき、フロス、フッ素で予防力を高めることで、虫歯への対抗は充分可能です。





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これはどうよ?

2018-03-15 | カリオロジー

今日は休診日、毎度ですが雑務に出勤。ランチに1階のスーパーマーケットで弁当と飲み物を買いました。
飲み物はアイスオレンジティー、またpHメーターで酸性度を計ってみました。






結果はpH4.4、スタバ炭酸よりは少しは高いんですが、ピュア炭酸よりは低い値です。pH計測オタクになりそう。
炭酸ではなくとも、オレンジ成分や酸味料でpHは下がっていますね。
はちみつや果糖ブドウ糖液も入っていますので、濃度にもよりますが、もちろん虫歯誘発はほどほどありますね。
ピュア炭酸は糖分が入ってませんし、pHも高いので、比較すると炭酸の方が、まだ虫歯原因にはなりにくいと言うことになります。





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スタバの炭酸

2018-03-08 | カリオロジー

最近サニーのコーヒーコーナでスタバのコーヒー豆を見かけて、おっ事業拡大してるなと思っていたんですが、今度はコンビニでスタバの炭酸水を発見。
ほのかなピーチ味でローカロリーになってます。
炭酸といえば酸ですから、頻回摂取は歯が溶ける酸蝕症、そして虫歯を誘発してしまいます。
同じ炭酸飲料でも味や香りの成分の追加で酸性度が高く(PHは低く)なっているようで、虫歯誘発能も高くなります。
もちろん糖分の含有でさらにそうなります。
例えば炭酸オンリーですとpH4.6 ほどですが、コーラでは2.5前後と随分酸性度が高くなります。




当院にあるpHメーターで、スタバ炭酸の酸性度をチェックしてみました。
多少酸味料が入っているせいでpH4.1ですが、炭酸オンリーに近い値で予測通り。
炭酸でない通常のジュース系はこれより酸性度が高くなります。
お茶もpH6前後なので弱酸性と言うことになります。中性のPH7と言えば水くらいしかありません。
糖分と酸性度の両方の要素から考えると、炭酸オンリーとかスタバ炭酸は、まだむし歯誘発能は低い部類に入ると考えられます。
レモン炭酸とかグレープフルーツ炭酸はどうなんでしょう?
ちなみにPH4.6の炭酸はウィルキンソン。皆が口をそろえて美味しいというウィルキンソン(私も同感です)、何が違うんでしょうね?




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キシリトールで虫歯予防はできる?

2018-02-19 | カリオロジー

今日も合間時間でアメリカ小児歯科学会のガイドラインを読んでいて、キシリトールとシーラントのセクションをチェックしました。
キシリトールの虫歯予防効果については、私たちが今まで論文等読んで来て考えているポリシーと同様でした。
すなわち、キシリトールで虫歯予防効果は期待できないと言うことです。理論的には、大量に持続的に投与すればむし歯菌が減少して予防効果がありますが、人間の日常生活では非現実的な回数と量ということです。





歯科医院専売の100%キシリトールでもその程度ですから、キシリトール配合という製品は他に糖が含まれているのが普通ですので、むし歯の原因になると考えたほうが無難です。
ガムですと唾液の分泌もプラスに影響して、1日5回以上ほど噛めば予防効果があると言われています。 





タブレットですと効果は減少しますね。
予防とまでは考えず、むし歯の原因とならない甘味料と考えるのが適当でしょう。
虫歯をつくらないと言う面では他の甘いお菓子よりベターとは思いますが、 人間の味覚の発達という面では、ある年齢になったらしっかりとした本当の砂糖の甘さを知る事も重要ではないかと言うのが私見です。
節度ある摂取と、フッ素や歯磨き、フロス、シーラントといった虫歯予防法のバランスで虫歯ができなければOKでしょう。
甘い物も含め、美味しく食べるために歯があるわけですからね。 






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プロケア

2017-12-07 | カリオロジー

むし歯や歯周病の予防は、歯科医院で行うプロフェッショナルケアと、個人が家庭で日常行なうホームケアが両輪というか、両方のコラボレーションが必須です。
患者さんが日常どの程度ケアできるかでバランスが変わりますが、やはりホームケアが基本で、ホームケアで出来ない部分をサポートするのがプロケアというのが理想です。
広い意味では、どのようなホームケアが適切かを指導し、実行できているかをモニタリングして、患者さんの行動変容をヘルプするのもプロケアでしょう。
歯科医師がおおまかにはディレクトしますが、各論を進めるのは歯科衛生士で、これが仕事の醍醐味でもあり、やり甲斐でもあると思います。


 


最新刊のプロケアの本。歯科衛生士向けではあります。





今や結構認知されるようになって来たPMTC。バイオフィルムを除去し、虫歯や歯周病のリスクが下がる、いわゆるクリーニング。





予防分野の進化、一般化によって、関連製品の種類も増えました。
新しい製品の中には使い勝手や性能が良い物があるので、日頃からアンテナを張っておくことです。学問的エビデンスが明らかになることで、方法論的にも変化や進化があったりします。 
当院は私のキャラもあって院内勉強会なるものは一切ありませんが、 各スタッフの進化をみると、合間時間や外部の講演会などで勉強しているのでしょう。
各自が自分の価値観で自分を磨いていく、これが大人の世界ですね。横並びの必要はありません。
海外ドラマ「リベンジ」の台詞、 自分の決断が自分の人生を決めていく、まさにその通りだと思います。





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初期むし歯を考える

2017-10-12 | カリオロジー

学校歯科医会誌の最新刊が届きましたが、トピックの一つが「学校歯科におけるう蝕学(カリオロジー)」
私も学校歯科医の一人で、現在は福岡市の特別支援学校の校医を担当しています。
かつては地域の市立小学校の校医でしたが、障がい者歯科を専門の一つにしていることもあって、特別支援学校の校医依頼があって現在に至っています。


 










トピックの内容は、カリオロジーといっても初期むし歯のCO(シーオー)についての最新の考え方と評価、対処法です。
このCOというむし歯の程度のグレーディングは日本独自のものなのですが、私のブログでも繰り返し述べているように、初期むし歯はストップ、もとに戻すことが可能ですので、進んだら治療ではなくて、予防のレシピを考えるのが歯科の役割。
集団検診の場の学校歯科でもこの概念を普及させ、同じCOでも、 さらに細かい評価をして方針を考えるべきと述べています。国際的なむし歯のグレーディングや対処法を述べたICDASというのがありますが、ここ数年で日本でも浸透しつつあります。
実際の臨床でこの概念をベースに実践している歯科医は、残念ながらまだごく一部と言わざるを得ません。
小児歯科をやっていますと乳歯永久歯に関わらず初期むし歯レベルに出会うことは多々ありますので、必然的に予防を考える機会が多く、当院でも開業当初からできるだけ削らないというスタンスは持ち続けています。
COに対する適切な評価やアプローチ法が普及することで、無駄な歯の切削治療が減ってほしいものです。 

 

 


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カリオロジー むし歯学

2017-05-01 | カリオロジー

日本歯科医師会雑誌の最新刊に、長崎大学小児歯科の先生方による記事が掲載されています。





「歯科医師と歯科衛生士に必要な糖と代用甘味料の知識」というタイトルです。
長崎大学小児歯科は教授の藤原先生がカリオロジーの第1人者で、福岡小児歯科集談会で講演をお願いしたこともあります。
また、当院を時々手伝ってもらっているS先生も、ここの医局員です。ファーストオーサーの西俣先生も良く知っている先生です。






いわゆる砂糖が虫歯の原因となると言われますが、これはショ糖で、他にも果糖、ブドウ糖、オリゴ糖などありますね。
そして糖アルコールと呼ばれる、キシリトール、ソルビトール、マルチトール(アルコールと言っても酔うわけではありませんので)、そして人工甘味料と呼ばれる、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロースなど多くの種類があります。
糖アルコールや人工甘味料は虫歯の原因にはなりませんが、例えばキシリトールなどで現実的に虫歯予防ができるか? となると、それを裏付ける研究が不足しているというのが現状です。
最近のローカロリーやノンシュガーの飲み物のラベルで成分表示をチェックしてみて下さい。糖アルコールや人工甘味料がミックスされているものが多いようですね。単体よりも、ショ糖に近い自然な甘みにする工夫と思われます。
ローカロリーやノンシュガーの飲み物は確かにむし歯リスクは小さくなりますが、炭酸飲料をはじめとして殆どが酸性です。これが直接歯を溶かす悪影響があることもお忘れなく。




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