11月10日、憲政記念館の「女性参政60年特別展」を見て語るつどいを行いました。急な呼びかけだったので、参加者は5名でしたが、見学のあと、レストランでお昼を食べながら、いろいろとおしゃべりをしました。
特に、10月末で退職勧奨を受けていた組合員 Hさんが、記念会から出た資料の担当者であったということから、憲政記念館の方々が、次々に挨拶に来られました。Hさんは「このほど、退職いたしました」と挨拶していましたが、本当に辛く悲しい光景でした。
出版部は「女性展望」などを11月以降、外部委託するらしいのですが、以前、常勤やパートとして有償で働いていた方々が、職員が2名になってしまった後、今度は完全なボランティアとして仮事務所にいらして仕事をなさっているようです。それは、善意であっても、現役世代の働く場所をなくしてしまう行為です。もちろん元職員の方々ではなく記念会に責任があるわけで、有給の職員を退職させたり解雇して、元職員の無償労働に置き換えるというやり方は、財団寄付行為の目的に反しているという点で、問題といわざるを得ません。
以前、記念会で何度か講演をお願いした、スウエーデン(比較政治学)の研究者 岡澤憲芙氏が、スウエーデンでサービス残業がないのは、それは他の労働者の足を引っ張ることになると皆が理解しているからだとおっしゃっていました。日本の労働者もそんな簡単なことはすぐに理解できるはず。なのに、なぜ、サービス残業やタダ働きをやめられないのでしょう。
気分を変えて、この日、メモしてきた新婦人協会の宣言文(大正9年、1920年、3月28日、平塚らいてう、市川房枝、奥むめを)をご紹介しましょう。
1.婦人の能力を自由に発達せしめるため、男女の機会均等を主張すること
1.男女の価値同等観の上に立ちて、其の差別を認め協力を主張すること
1.家庭の社会的意義を開明すること
1.婦人、母、子供の権利を擁護し、彼等の利益の推進を計ると共に、之に反する一切を排除すること
婦選獲得同盟の運動の目的(下記4点)と比べてみると、興味深いものです。
(1)婦人・子供に不利な法律・制度の改廃
(2)政治と台所の直結
(3)選挙の革正と政治の浄化
(4)国際平和
さて、参加者の中に、参画センターで学んで当選した地方議員の方がいらして、記念会の政治参画センターの話になりました。どうして、統一地方選挙を目前にして、来年度から中止するのか、という謎です。12年間で、政治参画センターで学んだ受講生は、述べ900人です。今も地方議会で悪戦苦闘している女性議員の拠り所であるわけですが、どうして、事業の継続をあきらめてしまうのか。5人で話すにつけ、疑問は深まるばかりだったのです。
くみあいニュースWEB担当