みどりの船

絵本と絵本まわりのこと、日々の雑感を少し。

長い長いベッドカバー

2007-09-19 | 心があたたかくなる絵本
昨日は、何か月ぶりかにことり文庫さんへ行きました。
店長のこうめさんに、何かオススメをとお願いする
ぶしつけなわたし。
いくつかあげてもらった中で、昨日はじめて知ったのが
こちらです。

 『長い長いベッドカバー
シルビア・フェア 文/絵  杉並セシオン 訳
谷口由美子 監修      セーラー出版

「長い長い」お話、好きです。
これは、ふたりのおばあさんが作りだしたすてきなベッド
カバーと、おばあさんたちのおはなし。

年をとったふたりのおばあさんが、足腰立たなくなって
長い長いベッドで暮らしています。
でも、ふたりは意見があうことがなく、反目しあうばかり。
唯一意見があったのが、白いベッドカバーにうんざりする
ということだけ。

刺繍をしましょう。あのなつかしい家を刺繍しましょうよ。
ということになって、それぞれとりだした裁縫箱が
2人の性格を表していて楽しいです。
きっちり整理されたお姉さんの裁縫箱。
ごちゃごちゃで、雑然としている妹の裁縫箱。
二人は、白いベッドカバーの両側から、思い出の家を
刺繍していくことにしたのでした。

ベッドカバーをひっくり返して、お互いの刺繍から
感じることは、お互いのよい面というのがすてきです。
それから白いベッドカバーを、自分たちで模様つけしよう
とする最初の場面。
曜日ごとに、刺すモチーフを決めるところ。
103歳ごろまで、ふたりちくちく刺し続けるところ。
少しずつ、思い出や気分が盛り込まれて、
長い長いベッドカバーができあがっていくさまが
とてもいいのです。
よりどころだった「家」を刺していく作業が、
お互いの個性を認め合う仲立ちになるなんて・・・。
「家」なのか「刺繍」なのかそれとも「時間」がなせる
技だったのか。
そのどれもが、すてきだなと思います。

        *   *   *

今月のことり便は、直接の受け取りでした。
(おまけのカードと缶バッチ! 見てみて~)

今回は「思い出のマーニー」を絶対求めて帰ろうと
思っていたので、これもはずせず・・・
「思い出のマーニー」以前より、ずっとずっと
胸にシミいります。こちらは、また別の機会に。
(ことりさんの倉庫にもあります)


ことりさんは、ただいまおいしい絵本のフェア開催中。
お手製のポップと、凝ったメニュー表が玄関脇で
お出迎えです。







こうめさんのこういう思いつきと、形にしていく行動力は
すばらしくて、いつも感心してしまうのですが、
ポロッと出る親しみやすさが、また魅力的。
メニューのつづり間違いは、ご愛嬌♪
(ことりさんのブログでも、反省文が・・・笑)

昨日はもうひとつのドキドキを、またもや味わってきました。
ブログでのつながりが、生身のつながりになる瞬間は、
楽しみであるけれど、何度経験してもドキドキします。

こももさんご来店の話を小耳にはさんだので、またまた
こっそりお迎えすることに・・・♪
わたし、不意打ち専門だナー 
だって、ベビーちゃんを抱っこしたかったんだもん・・・。

6か月のあかちゃんパワーは、やっぱりすごいものがあります!
ただそこにいるだけで、なんともエネルギッシュで、
ぐーんと元気をもらいましたよ。
ほこりがたまりそうな、ぷにぷにの足や腕がか~わいくて、
たくさんひざ抱っこさせてもらってしあわせでした。
また、ぜひ乳母役、やらせてもらいたいです。
楽しい時間に感謝、感謝♪
コメント (30)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« はらのなかのはらっぱで | トップ | 月と少年 »
最新の画像もっと見る

30 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ペンギンブルー)
2007-09-20 00:33:24
フラニーさん、こんばんわ。
たまには、12時台に寝ようと、パソコン終わりかけにさらっと立ち寄るはずが、コメントしちゃいたい記事でしたぁ。
私もすきですよ、「長い長いベッドカバー」。
素敵なお話ですよね、ふたりのおばあさん、可愛いし...。
思い出を綴っていく刺繍、それはとっても深くって、
私なんて中年ごときには、まだまだその境地には辿り着けないけれど、
年を取ると、日常のなんでもない事まで、きらりと光るものになる、
年を取るって、ある意味、錬金術のようなものなのかな?
なんて、この絵本で感じてしまったのでした。
返信する
私は・・・こっち (匿名)
2007-09-20 07:30:17
「長い長い・・」の方を知らなくて、「思い出のマーニー」が大好きです。これを読んだ時は、あっちこっちに「いいよ、いいよ」と言いまくってました。

だから、「長い長い・・」の方を読みた~い。さっそくこうめさんにお願いしてみよう。

素敵な出会い、良かったですね。コハちゃんは、赤ちゃんにどんな反応をするのかしら?と興味津々です。
返信する
楽しそう! (S. Yard)
2007-09-20 10:18:11
違った性格の者同志がプレーンなベッドカバーにチクチク、黙々と刺繍をして、ストーリーを縫い上げていくなんて、とっても素敵なことですね。一針一針には、それぞれの人生が集約されているようで、読者がどのようにそれを読み取っていくかも、この作品に隠されているお楽しみという感じがしないでもありません。
日本版にすると、縁側で二人のおばあさんが、ちょっと背中を丸めて、布団カバーに刺し子縫いをしている風景と繋がっているように思えます。この季節ですから、側にお茶と、きんとんがお茶請けになっているとまで、発展されてしまうと食いしん坊がばれちゃいますね、フフフ...。
ことりさんの「おいしいえほんメニュー」というネーミングがいいですね。おっしゃるように、思いついたことを具体化してしまうのが、素敵。メニューを見る側も楽しいでしょうね。
赤ちゃんのポヨポヨ感とあまーいミルクの匂い、目尻が下がってしまいまーす。
返信する
いいな、いいな。 (ruca)
2007-09-20 15:04:29
フラニーさん、こんにちは。

こももさんちの赤ちゃん!!抱っこしたのですね!!!
いいな、いいなあ。周りに赤ちゃんがいなくなって
しまったので、渇望しております(笑)。
あー、私も待ち伏せしたかった‥
コハちゃんの「おねえちゃんぶり」もかわいかった
でしょうね。

こうめさんお薦めの絵本、すごく読んでみたいです。
それと、9月のことり便、この本を選ばれたのですね~
ささめやさんの挿絵、いいですよね。

おいしい絵本メニューも完成しているのですね。
こうめさんのがんばりにはいつも頭が下がる思い、と
いうか、自分のやる気が下降線のときに、パワー
注入させてもらってます。ほら、こうめさんがこんなに
がんばっているんだからって。
返信する
こんばんは。 (こうめ)
2007-09-20 22:46:20
ありがとうございます。
数ヶ月ぶりだったなんて、おもわなかったです!

おとな時間って、不思議。
いまだに、慣れません。

この絵本、もう、お店には置けないんですよー。
開店前に、店売でみつけて、あー!って思って
持ってきたんです。

今月、倉庫に入れようと思ってて、
それで、フラニーさんにお見せしたんですよー。

手仕事を敬愛するだれかに、お渡ししたかったの。

絶版(品切れ)本を、入手できることはあって、
お店にもならべたり、
クリスマスも、がんばって(ムリいって)いれたのもあるけれど、
やっぱり、そういうのは、絶版(限定)だから・・・ではない
手渡し方をしたいなぁ・・って思うんです。

この本にとって、幸せな運命・・みたいなの。
ついつい。


チクチク日和が、やってきますね。
やっぱり、秋っていいですねー。

返信する
●ペンギンブルーさんへ (フラニー)
2007-09-20 23:11:55
ペンギンブルーさん、いつも遅くまでお仕事おつかれさま!
寝しなの時間に、おひきとめしてしまったな~(笑)
ペンギンブルーさん、この絵本ご存知なんですね♪
このとき見せてもらっていた絵本は、どれもはじめて見たものだったけれど、おばあさんたちと”刺繍”にひかれて、この絵本を求めて帰ってきたのでした。
わたしは、妹派ですけど、お姉さんの言葉にほっとしちゃって・・・。
刺繍で思い出をつづるなんて、ほんとにすてきですよね~。
そんなふうに、ちゃちゃっと刺繍ができることにも、相当憧れます。
日常のささいな幸せ、いつでも感じていられたら、優しい顔つきのおばあさんになれそうですね♪
外見はそれで、内側、いじわるばあさんめざそかな。(ヒヒ)
返信する
●匿名 さま (フラニー)
2007-09-20 23:20:52
ふふ、匿名さま!「思い出のマーニー」前に読んだ時もとてもじーんとした本だったけれど、今回ラストに向かうあたりで、知らない間に泣いていました。
本を読んで、知らないうちに泣いているって、久しぶりでした。
うちの上の人が、前半のマーニーそっくりだなと思いつつ読んでいたからでしょうか。
わたしも、この本広報したいと思います(笑)

「長い長い・・・」こうめさんのコメントで、入らないような感じですが、どうだったでしょう。

コハは、あかちゃんに指をつかまれて、あやうく口へ運ばれそうになってあわてていました(笑)
指しゃぶりが同じだったので、「いっしょだね」と言うと、まったく反応なし。
少しおねえちゃんとしての意地があったようですよー。
水たまり作ってましたけどね
返信する
●S. Yardさんへ (フラニー)
2007-09-20 23:29:55
このお話のストーリーじたい、惹かれてしまいますよね。
少し前に、絵本作家の山福朱美さん(「ヤマネコ毛布」の著者)に、サインをもらおうとお声がけしたら、とても喜んでくださって、そのとき刺していた刺繍の布をざ~っと広げて見せてくださったんですよ。
人魚の絵柄で、下書きも何もなしに、思いのまま、好きな色で刺しているんですと言われて、とても感動してしまったのでした。
だって・・・絵みたいなんですよ。
刺繍って、そういう手段にもなりうるんだと、その時はじめて思いました!

ふふ、お茶ときんとん! そういう時期ですね♪
くいしんぼ万歳です

おいしい絵本のメニューは見ごたえあって、見開き3ページぎっしり。
お腹いっぱいになれますよ~。楽しかったです♪
返信する
●rucaさんへ (フラニー)
2007-09-20 23:45:48
rucaさん、こんばんは☆
そうなのですー。こももさんちのあかちゃんをひざ抱っこさせてもらいました。
おかあさんの顔が見えていれば(私の顔が見えなければ・・・)平気かなって、半ば強引に・・・(笑)
rucaさん、次回はぜひ!
もしかしたら、今が一番ぷにぷに感あふれる時期かもしれないけれど、今度はまた、動きが出てきて楽しめそうですよー。
コハも、案外気取っていて、おかしかったです。

ことり便、今回こちらにしてみました。これから読むんですよ、楽しみ・・・。
ささめやさんの絵、いいですよね! 最近出たカエルとライオンの絵本も、笑ってしまいました。

おはなししながらも、さささっと糸綴じしてメニューを仕上げていて、さすがでしたよー。
rucaさんたちへの8・27の思い出の品も、ぱらりと見せてもらって、感動・・・。
楽しいがいっぱい満ちていて、当日の気分をおすそ分けしてもらいました♪パワー注入、ほんとですね!
返信する
●こうめさんへ (フラニー)
2007-09-20 23:58:08
梅雨からこっち、たぶんうかがってなかったですよね。
そんな感じは、わたしも全然しなかったけれど・・・。
コハの背がのびたのは、夏の間の成長ってことですね~(笑)

この絵本、そうだったのですか!
奥付を見て、ずいぶん古い絵本なのにまだ出ているんだなーと思ったのです。
もう15年前くらいの刷りだったので・・・。

お話も絵も、ぴったり好みで、すすめてもらってうれしかったです♪ ありがとうございます!
あとから思いついたというおススメも、またぜひ教えてくださいね。

こうめさんのように、ちゃちゃっと刺繍ができるのはあこがれですヨ。
ずいぶん気負わないと、なんでもとりかかれないの。
でも、そろそろコハの入園グッズを考えつつ、少し刺繍も入れてみようかな。
ほんとチクチク日和、到来ですね~。

最近、フェルトものとあみものにも目を奪われていて、またあっちこっち手をのばしそうな予感です。
返信する

心があたたかくなる絵本」カテゴリの最新記事