クローズアップ現代・風車特集 エコで赤字!? ~特別会計の実態~

国が新エネルギー導入のために、自治体に補助金をだして進めてきた風力発電。その約約6~7割は採算がとれず、各地で「赤字」に陥っていた。「風が吹かない」「落雷で故障」というのがその理由だが、この補助金は、「エネルギー対策特別会計」から出ているため、事業から撤退すれば補助金を返還しなくてはならない。今、補助金制度から新たな制度への移行が検討される中、風力発電を通して、「特別会計のあり方」を考えていく。
NHK 11月18日(木)19:30放送
http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=2967


NHKクローズアップ現代の特集。最近は風力に対するネガティブな報道が多く、どんな内容なのかと注目していたが、風力発電全体としてというよりも特別会計のあり方を問う番組だった。

自治体が勧めてきた風力発電事業の6~7割は採算が取れず、その原因は特別会計の豊富な資金と補助金の甘い審査にあるとしている。書類上、形式が整っていれば採択されるという審査方法はあまりにもずさん。自治体の関係者(元町長)などは全く風車事業に関しての知識がなく、自分たちは被害者だと言わんばかりだが、本当にそうなのだろうか?自然エネルギー推進、CO2抑制という良いイメージの言葉とはうらはらに、旧来型の公共工事と同様、建設業者への利益誘導として行われたケースも多いのではないだろうか?(少なくともつくばの風車はそうだった)

また、今回のクローズアップ現代では、地方自治体が設置した風車のみ取り上げられている。出演の土居 丈朗・慶應義塾大学教授は、

民間の側は、企業なら利益を上げなきゃいけない、消費者ならむだづかいなんかできないっていうことで、もらっても、ちゃんと有効に使えるかどうかってことで、補助金を受けるかどうか決めますんで、やっぱりそこは、民間にやるとうまくいくということはあると思います。

と、民間では問題ないようにと語っているが、これも大いに疑問。そもそも、なぜこの番組は自治体の風車のみを対象にしているのか?それは、ただ単に民間側の発電量や採算性などのデータが得られなかったからではないだろうか?

以前にも書いたが、日本の風力発電所の発電量はいったいどのくらいなのか。こんな基本的なデータも公開されていない。補助金を出した以上、その効果を検証するのは当然のはず。しかし、作ったら終わりで、今まで全く成果は問わなかった。(これは風力に限らず、様々な公共事業に対しても同様)これでは、風力発電事業ではなく、風力発電所”建設”事業になってしまう。定率の補助金は、建設費が高くなるほどに補助金の支給額も高くなる。大規模、強引な開発が増えた結果が、今の風力発電への不信感の高まりなのだろう。

クローズアップ現代では、補助金の甘い審査という点のみで風車事業に関しては突っ込んだ報道はされていなかったが、この際、民間の風車を含め問題点を洗い出して欲しい。少なくとも、補助金で建設された風車は発電量などを公表させるべきだろう。その上で、上手く行っている発電所とそうでない所は何が違うのか検証することが重要だと思う。


関連ニュース
自治体の風力発電 6割が赤字
http://www.nhk.or.jp/news/html/20101118/t10015316471000.html
赤字続きの伊根・太鼓山風力発電所 風車減で生き残りへ /京都
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20101120ddlk26040621000c.html

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2010/11/21 更新
コメント ( 6 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (行人)
2010-11-22 19:48:23
その解決策の固定買取制度だが、今後は経験豊富な大手IPPのみで風車を回していく事を強く願う..。

あと、プロファイを提供する銀行の役目として、風力プロジェクト全般のデュー・ディリジェンスを国際的な認証機関も交えてシビアに監査して頂きたい。 
 
 
 
大手だから? (桶屋)
2010-11-23 04:58:05
大手だからちゃんと風車を回しているわけでもないみたいだよ
エコパワーがおかしくなったのもちゃんとまわっていないからだったようだしね
プロジェクトファイナンスも日本のは違うと思うよ。あれをプロジェクトファイナンスと言ったら世界から嘲笑されるし、ゼネコン的発想で建てることばかりに夢中になっている所はやはりだめなんじゃないかな
 
 
 
Unknown (mizu)
2010-11-23 17:25:04
行人さん、桶屋さん、こんにちは。コメントありがとうございます。

風車だけのことではないですが、建設費に関する補助金をいつまでも続けると、ろくなことがありません。作ったら終わりではなく、成果に対する補助にできるだけ早く移行するべきだと思います。

で、大手IPPが成果を上げているかというとそうでもなさそうです。新規でも小規模でも大手でも、きちんと風車を回すことができるところを応援したいと思っています。

銀行の役目としてシビアに監査して欲しいというのは同感です。ただ補助金がなくなれば、必然的に銀行の融資が重要になってきます。事業内容をきちんと査察し、必要な資金を供給できるような態勢が必要だと思います。
 
 
 
Unknown (行人)
2010-12-02 11:57:39
確かに大手だからどうこうじゃない…。
でもIPPは補助金比率が自治体より少ない分、風況調査、フィージビリティー調査等に対して自治体よりは危機感を持って時間と金をかけて解析してる。 

それに比べてこの赤字を出してる大半の自治体は、PR目的等で軽い気持ちで参入して、無知な部分を入札で外部委託した結果、中途半端な解析結果。やってる事が茶番としか思えない。
 
 
 
問題はコンサルと風車代理店 (桶屋)
2010-12-03 01:21:02
自治体の関係者や首長、あるいは背後の政治家とかの問題は大きいんだろうけど、その無知につけ込んだ風力コンサルタント会社や風車代理店に悪質さを感じますよ。
クローズアップ現代みても
太鼓山なんて詰めすぎでしょ。単に風車いっぱい売りたかっただじぇじゃん!なんで風車と風車がくっついてるのさ(風車間隔ひどくない)・・・代理店鉄鋼系の会社でしょ、鉄製タワー売りたかったの?
恵山だってマイルとメーターを間違えるだって。笑わせるんじゃないわよって感じだし。
・・・風力コンサルって北陸のとこでしょ
ほかでも酷いのあるよ
諫早だけちょっと落雷の読み違いの不運を感じなくはないけどここって国産の三菱重工が1台あるでしょ。重工なにやってんのよ、しかも長崎はお膝元だしね
自治体ばかりをメディアは攻めるけど悪質な風力関係者の責任を問うべきじゃない?
 
 
 
Unknown (mizu)
2010-12-05 21:30:16
行人さん、桶屋さん、コメントありがとうございます。

補助比率が大きい自治体は税金の無駄遣い!として厳しい目が向けられるのも当然です。
ただ、民間企業の方も相当悪質なケースがあります。

資材を売りたい、建設工事が欲しい。こんな理由で作られた風車が多々あるようです。
風力事業者は分かってやっている分、悪質度は高いと思います。
(自治体関係者の知らなかった、だまされた発言もどうかと思いますが。。。)

桶屋さんの指摘に加えるならば、風力事業者と建設会社等の癒着がなかったかという点です。

 
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