サイコロジスト101

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健康心理学、生理心理学、ストマネを学びましょう!

心理学研究法2:医療心理学の研究法

2009-10-06 07:54:07 | Weblog
2009年10月5日「心理学研究法2回目」は、医療心理学という分野の研究法を概観しました。

添付のパワポスライドの1枚目に、授業スケジュールを掲載します。

来週から二週授業がありませんので、注意してください。

次回は10月26日となります。前日にベルリンから帰国します。ドイツの現状などもお話できるでしょう。

授業展開を楽しみにしておいてください。


今回の授業では、医療に生かすための心理学研究についてお話ししました。

医療心理士は医療現場で心理の専門家として働くわけですから、他の医療スタッフとうまくやっていくためには、心理学の専門知識だけでなく、幅広い知識と医療用語の理解、コミュニケーションスキルなどが求められます。

また、日々研鑽が求められます。研究者の態度と視点は常にもっておくべきなんですね。

ところで、医療心理士という用語について医療心理師とどうちがうんですかという質問があったのでお答えします。

医療心理師ということばは、2005年に議員立法で国会に提出される予定だった心理士法案での用語です。臨床心理士と医療心理師の2資格1法案のなかの医療心理師。

一方、医療心理士ということばは、日本心身医学会認定資格です。今年で認定試験は6回目となります。

心身医学会認定の医療心理士という資格については、

http://www.interq.or.jp/japan/shinshin/

を参考にしてください。

現在90名の認定資格をもった医療心理士が実際に活躍されています。

本学出身者の、めざす資格の1つに入れたいとおもっています。

この春に出版された「医療心理学を学ぶ人のために」(世界思想社)などを参考にしてください。

2009/10/06・記


公開講座第二講:シンポ

2009-10-04 18:45:07 | Weblog
公開講座二講目の昨日10月3日はオープンキャンパスが開かれる中での開催となりました。

雨が降るとの予測は見事はずれ、快晴。

140名のかたが参加されました。

まず、くんえい短大の須河内貢先生は、発達心理学からみた乳幼児期の心の健康についてお話されました。

 人は乳幼児期から、人の顔を注視・追随し、母親から父親、きょうだい、友達へと人との関係を深めていきます。

 こうした乳幼児期から、心の健康を阻害する困難があるのが現代の子育て環境ではないかというようなお話を20分でまとめていただきました。

次に、神戸松蔭女子学院大学教授の土肥伊都子先生からは、友人関係から見える若者の心ー無邪気の裏の臆病ーと題して、いわゆる「やまあらしのジレンマ」問題を解説していただきました。

 若者が他者・友人との間に棘をもち、近づこうとせず、さりとて離れようともしない「臆病」な心理。これが実は現代の社会がもたらしたものではないかという主題。

 ケータイやネットワークなど現代の若者社会に固有の道具やツール、流行ファッションにも、そして結婚できない症候群・婚活問題などが面白く語られました。これもぴったり20分。すばらしい。

三番目は、福山大学講師の廣川空美先生から、壮年期の心の健康について「仕事のストレスと更年期症状」と題して、統計資料を閲覧しながらの熱弁。

 学生であった若者が就職し、結婚し、子育ても終わろうとする40-50代の心の健康はやはり男の仕事ストレス・うつ・自殺問題。そして女性は更年期障害からくるうつ症状が重要との指摘。

 男性にも更年期があることにも触れられました。先週の私も、服部先生も触れたあたりの問題にも対応してもらえてしかもぴったり20分。すばらしい。

最後は本学教授の久家義之先生の「おいて楽になる人・苦しくなる人」という漫談のようなお話。

 老いを苦いものとしないためには、老人力、忘却力がいいですよというお話。

 ご自身の体験話や、介護現場での事例から、わかりやすく会場のみなさんの雰囲気をつかんでいただきました。

以上4名のシンポジストの提案をうけ、15分の休憩期間中に得られた質問票を材料として、司会者の私が約45分の質疑応答ならびに討論を行いました。

その詳細は、定かに記憶していないのですが、なかなか興味あるもの。ビデオから活字におとして一冊の本にしてもおもしろいのではないかとおもいました。

質問のなかでお名前を書いていただいたもの3通ばかりピップアップ。

まず、某女性からの質問。女子高生が高齢者に対して暴言を吐いて自転車ですりぬけていったという体験から、こうした子どもを育てた大人はどうしたらいいものでしょうかというキー質問。

4名のシンポジストからそれぞれのご意見を頂戴したという次第。

いずれまとめたものをご紹介したいとおもいます。

終わってから、学長、副学長、公開講座委員長・副委員長と懇談のあと、土肥先生、廣川先生との懇親会を開催しました。

そこになんと、かつてのSIG101のメンバー、R&Kさんも参加。

6時前から9時すぎまで、楽しく語らいました。

先生方、これからも、宜しくお願いします!

2009/10/04・記



公開講座(1:3)服部先生と私がツーショットで

2009-10-04 18:37:01 | Weblog
公開講座1日目の講演が終わったあと、私と服部先生が前に出されて、質疑応答。

服部先生から私への質問は、たばこをやめるきっかけとなったことは何か?というもの。

このブログにも書いたことですが、私はたばこをやめて今年の6月30日で満10年。

やめるきっかけとなったいくつかのことをお話しました。

また、9歳だった娘が私に向かって、「お父さん臭い」と言ったことが大きなきっかけとなったことも言いました。

岸和田市の保健センターにリラクセーションセミナー講師として行ったときに、禁煙になった待合室から、喫煙ルームに移動させられて吸った最後の青色KENTの話もしました。

大阪府立看護大学時代に末原先生が常に禁煙を訴えておられ、学生の喫煙についての調査を卒論テーマとする学生さんを3年みさせていただいたこともお話しました。

そしていま、禁煙を訴え、指導する私がいます。

大学学舎内全面禁煙にして悪かったことは一つもありません。大学内は禁煙にしてあたりまえになりましたね。といった話をさせていただきました。

地域でも健康によいことを、地域の方々が相互に声かけあって、健康で安全な街作りをしたいものですと訴えさせていただきました。

楽しい先週の公開講座の締めくくりでした。

2009/10/04・記

公開講座が開催されました(1:2)服部先生の講演

2009-10-04 18:26:00 | Weblog
公開講座初日は、私の講演の後、本学名誉教授の服部祥子先生が講演。

テーマは、「老いには老いの、若さには若さの美しさと味わいがある」

ほとばしる人への愛。

人間は、成長・発達につれて負わなくてはならない荷、乗り越えなくては次に進めない危機という発達課題がある。

エリクソンの8つの発達段階より2つ多い10段階を提唱されている服部先生。

老いには老いの美しい姿があることを、これまで接してこられた先をゆく尊敬すべき高齢のかたの生き様から解き明かしていただきました。

その著「あこがれの老い」を語られたとおもってください。

これはいい本です。以前このブログで紹介しました。

149名もの参加者は一同に感激。

なかでも、私と服部先生共通の教え子さんが聴衆として参加されていて、終わってから熱く懐かしい会話が続きました。

ほんとにすばらしいご講演でした。

ちなみに、10月10日(土)には、PGS研究会101回記念研究会で、服部先生に講演いただきます。改めてこのブログにも掲載することにします。

2009/10/4記(つづく)

公開講座が開催されました-(1:1)私の講演

2009-10-04 18:20:00 | Weblog
本学主催公開講座が2回にわたった開催されました。

第一回めが先週の土曜日。9月26日。

まずは私が、「平気で健康に悪いことをする人しない人」というテーマでお話しました。

配付資料に書いた文面は以下の通り。

健康に悪いことを平気でする人、しない人
山田冨美雄
大阪人間科学大学教授

 ちょいといっぱいのつもりで飲んで、
 いつの間にやら梯子酒。
 気がつきゃホームのベンチでごろ寝。
 これじゃからだにいいわきゃないよ。
 分かっちゃいるけどやめられねえ。
 ほれ、スイスイ・スーダラダッタ・スラスラスイスイスイ・・・・

 日本が右肩上がりの急成長を遂げつつあった昭和36年。テレビ創世記の人気者、クレィジーキャッツ植木等さんのヒットソング「スーダラ節(青島幸男作詞、萩原哲晶作曲)」の一節です。あの美声、明るい笑顔、派手な動き、そして賑やかな伴奏。私と同じ世代の人ならずとも、この歌を聞くと、若かりし良き時代を想い出して浮き浮きした気分になることでしょう。

 コミックソングとして長く歌い継がれている「スーダラ節」は、メタボ予防・生活習慣病予防の立場からみると、とても大切な人間の心理を言い当てていることに気づきます。

 たばこをやめたいけれど、やめられない。お酒は控えめにしたいけれど、飲み始めたらとまらない。適正体重を守ろうとダイエットをはじめてみたものの、耐えきれず食べてしまう。それなら運動だとジョギング初めても三日坊主。ギャンブル、夜遊び、ショッピング。ストレス解消と理屈はつけても、ほどほどでやめられないものばかり。

 まさにこうした人の性こそ、スーダラ節が描く人間性。健康に悪いとわかっていても、平気でやりつづけてしまう人の弱さでしょう。

 一方、健康に悪いことを平気でする(ふりをする)人もいます。禁煙エリアなのにくわえタバコで歩く人。命を賭けた危険な遊びに興じる人。爆音出して暴走する人。違法薬物を買う人・売る人。いわば確信犯ですね。

 こうした、健康に悪いことを平気でする人はどんな人なのか考えてみましょう。そして、健康に良いことを、自信をもって実行し、そうでない人に対してやさしく指導し普及に努め、相談に乗ってくれる人をめざそうではありませんか。健康によい生活習慣を身に付け、健康で安全なコミュニティ作りを推し進めましょう。

 地域の人々がいっしょになって「健康づくり」に取り組んでみると、心の弱さに気づきます心の弱さをみんなで克服しようと努めましょう。そうすることで、地域全体の「心身の健康」がきっと生まれることでしょう。スーダラ節を口ずさみながら。

(つづく)

生理心理学1:4つの脳

2009-10-04 18:00:55 | Weblog
生理心理学2かいめとなる10月2日は、脳の機能局在の話。

授業では、脳の絵を描く方法を伝授しました。

大脳はノーミソが合い言葉でしたね。書く練習をしておいてください。

また、大脳に小脳、中脳、橋、延髄、脊髄と至る中枢神経系が、人体内にどのように位置しているかもイメージわかせておいてください。

つぎに、大脳にある2つの大きな皺。大きいので溝(こう)と呼びます。

2つの溝の名称を覚えましょう。

これら二つの溝を目安として、大脳皮質は4つの大きな領域に分けられます。

名称と部位、それぞれの機能を対応させて覚えましょう。

視覚、聴覚、体性感覚・体性運動、連想・推理・思考という4大機能が、どうして人間ではある程度決まった位置に割り当てられているのでしょう。考えてみましょう。

体性感覚・運動という機能について特段の話をしました。

ペンフィールドの手による、体性感覚と体性運動の脳内機能局在の話がメインテーマ。

脳外科医であったペンフィールド先生が手術中に患者さんの脳内を刺激し、身体のどこが動いたかを観察し、こそばゆい・かゆいなどの皮膚感覚が発生した場所を特定しながらの研究の話でした。

こうした研究法は、生理学的心理学の部類に入ります。

生理過程(脳内刺激部位)を独立変数として、行動や内省報告を従属変数とした研究の先駆けですね。

それではかったことは、大脳皮質体性感覚領域に占める皮膚の部位の割合がいびつなこと。

唇や手の指先が多くの領域を占領しています。はたしてこれはなぜなんでしょうというのが課題でした。

みんな、どんなことを書きましたか?

来週は2つの脳と題して、左右ふたつある脳(大脳半球と呼びます)の機能局在の話。

言語の中枢は左半球にありますが、右半球にはいったいなにがあるのでしょうか。

では。