新しいリコーダー奏法

吉嶺史晴によるリコーダー奏法解説ブログです。上達してゆくための全般的な考えかた・生き方のヒントについても書いています。

ウィインドウェイをどの程度の高さに保つのか(楽器が割れる危険あり)

2018年09月30日 | 全般的な事柄
ウィインドウェイをどの程度の高さに保つのか、という点は楽器を取り扱う上で注意すべき事柄のひとつです。

普段あまり演奏することのない楽器は当然のことながらブロックも低く、ウィンドウェイの天井の部分も高い状態になっています。

それに対して普段から比較的、たくさん音を出している楽器の場合には常日頃の状態としてブロックが高く、ウィンドウェイの天井部分は低い状態になっています。

楽器はひとつひとつ個性があります。楽器の個性と演奏者の好みがある程度、一致した方向であれば良いものです。

そのためのひとつの方法として演奏者自身が楽器のウィンドウェイの状態についてはある程度まで制御できる、という考えかたがあります。

長時間、音を出す楽器であればブロックは高く、そしてウィンドウェイ天井部分は低い状態となっています。

意図的に連続して長い時間、音を出すことによってブロックにより多くの水分を与えてウィンドウェイを狭くします。

これはあくまでも常に比較的長時間(少なくとも1日2時間以上連続して音を出すというような条件)、音を出すということを前提にした考えかたです。

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追伸
ここの書いた内容は吹き込みという過程を通して、より積極的にウィンドウェイの形状を設計時とは異なるものに変えてゆこうという試みです。

やり方を間違うとブロックが膨張し過ぎて楽器が割れてしまうなどの危険があります。
楽器の取り扱いに慣れていない場合はこのようなやりかたはお勧めできません。

強い息から弱い息へ?弱い息から強い息へ?

2018年09月30日 | 息のこと
私の今までの経験上、演奏している最中に弱い息から強い息に変化することよりも、強い息から弱い息に変化するほうが難しいです。

強い、弱いはそのまま息の速度が速い、遅いと考えてもらって良いです。

例えば2オクターブの跳躍があるとします。

■アルトリコーダーで言えばまんなかのソの音から一番低いソの音に跳躍するパターン

■低いソの音から1オクターブ高いソに跳躍するパターン

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どちらも1オクターブの跳躍であることに違いはありません。しかしながら経験上、低い音から高い音へ飛ぶのはさほど難しくありませんが、高い音から低い音に跳躍するのはあきらかに難しいです。

これは一体、何を意味しているのでしょうか?

思うに楽器が反応する許容範囲の問題なのでは。

つまりまんなかのソの音ではある程度、ソの音らしき音が出る許容範囲が広いのですが、低いソの音の場合はその許容範囲が狭いのです。

簡単に言ってしまえば、ラクに出る状態とラクに出ない状態があるということになります。

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このような状況をより意図的にもっと難しくしてみます。

ソの跳躍ではなく、ファのシャープの跳躍ではどうなるでしょうか。

アルトリコーダーの場合、低いファのシャープはダブルホールを使う音です。半音高いソの音よりもさらに繊細な息のコントロールが求められる音です。

いろいろな音からとにかく低いファのシャープを目指して跳躍してみましょう。

地味ですが息の制御にはとても良い練習になります。

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追伸:
低いファのシャープのかわりに何でも良いですからフラジオレットの音を出してみることにしましょうか。
ファのシャープの時よりもさらに繊細なコントロールが必要になることがわかります。

常々、考えておきたいことなのですが、練習の際には「極端な状況」に自分自身を慣れさせておくことが必要です。極端に速いテンポ、極端に遅いテンポ、あるいは極端に息の速度に差がある跳躍などなど。。。。

息の速度とピッチの問題

2018年09月29日 | 楽器の特性を表現として活かすための考えかた
リコーダーは息の速度とピッチが連動する楽器です。

つまり息の速度が上がるとピッチも上がり、息が遅くなるとピッチも下がるということになります。

これは通常、リコーダーの弱点として認識されています。

すなわちピッチを保つためには息の速度を一定にしなければならないということになっています。

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古典的な音楽を演奏する場合にはこれは尊重されるべき方法ですが、様式の異なる場合は必ずしもこのような考えかたにこだわらなくても良いかもしれません。

例えばフレーズの終わりなどで息が弱くなってゆくと同時にピッチも下がってゆくような現象を表現のひとつ、として積極的に認める態度があれば、また新しい可能性が広がります。

このような方法をリコーダーのための新しい作品に取り入れるということも可能性としては大いに有り得るのではないでしょう。


追伸:
民族音楽やポピュラー音楽の分野においては器楽だけではなく歌の場合にもこのような表現を見ることが出来ますので、必ずしもリコーダー特有の手法ということでもなさそうです。


低音域の反応の鈍さを表現として活かす

2018年09月29日 | 楽器の特性を表現として活かすための考えかた
リコーダーの低音域は反応が鈍くなります。
つまり振動する空気柱が長くなるのでその分、音が立ち上がるために時間がかかってしまいます。

硬いタンギングでなおかつ速いパッセージの際にこれは大きな問題を引き起こすことがあります。

硬いタンギングを実現させるためにはその準備として前もって舌の先を歯の裏側にある程度、強く押し付けておく必要があります。強く押し付けておけば、それを離す際の勢いも強くなり、結果として立ち上がりの速い音が出るという寸法です。

■低音域の場合には音が立ち上がるまでに時間がかかってしまうということがひとつ。

■そして硬いタンギングの場合にはそれを実現するだけでも前もって準備が必要ということがひとつ。

つまり低音域の音を硬く発音するためにはどうしても時間がかかってしまいます。

これを弱点として捉えてしまうと、単なる表現上の問題点という位置付けしか出来ませんが、この点を逆手にとって自分自身の表現として取り入れてしまう、ということではどうでしょうか?

つまり低音域で硬く発音したい音がある際にはとにかく必要な時間をじゅうぶん取る、ということを自分自身に許してやるのです。

音楽的には必ずしも楽譜上から来るイメージとは一致しないかもしれません。

しかしながらそれは結果として演奏する人自身の想像を超えた表現として成り立つとしたらどうでしょう?

これは革新的なアイディアでも何でもありません。

例えば弦楽器の場合には異なる弦を弾く時には弓が弦を移動するための時間が必要になります。

隣あう弦ならばまだ良いですが、物理的に遠くにある弦に移動するためには文字通り、時間がかかってしまいます。

優れた弦楽器奏者はこのような事情を自分自身の音楽表現として取り入れる技を備えているはずです。

弦楽器だけに留まりません。

たとえば鍵盤楽器などでもある鍵盤から遠くの鍵盤に移動する際には必ずそれなりの時間がかかります。

練習の際にはなるべく移動する時間を短くするための練習ということはもちろん行われるわけですが、実際の本番の演奏では移動する時間それ自体を表現として取り入れるということは多かれ少なかれ行われています。

私たちもおおいに参考にできるアイディアではないでしょうか。

追伸:
普通「弱点」と考えられているところを前面に押し出す、というのは別の言葉で言うと開き直り、ということなのかもしれません。

「表現」する試みというのはつくづく面白いものですね!

それぞれのフレーズを重要視するのか、それとも全体の構築力を優先するのか

2018年09月29日 | 全般的な事柄
それぞれのフレーズを重要視するのか、それとも全体の構築力を優先するのか、ということについて簡単に書いてみます。

普通はフレージングは大事なことですよ、と教えられます。

確かにそうなのです。

しかしながら曲全体が有機的な構造体として成り立っていることも等しく重要です。

曲全体の構築力を高めるための有力な方法のひとつとして音楽的に大きな段落は大きな段落として聴こえされるということがあります。

場合によっては大きな段落の最後の音をかなり長く引き伸ばす必要が出てくる場合があります。

ここが問題です。

■そのフレーズをひとつのフレーズとして聴こえさせるためには余計な息継ぎはないほうが良い

■全体の構築力を高めるためにはそのフレーズの最後の音をかなり引き伸ばす必要があり息継ぎもやむをえない

このように相反するふたつの考えかたがひとりの奏者のなかに同時に起きてくることがあります。

最終的にはその奏者が決めなくてはならないことですが、いずれにしても楽器は物理的な特性がありそのなかで鳴るしかありませんし、奏者の肺活量が無限にあるということもないので、どこかで妥協するしかありません。

追伸:
何らかの事情で最良の箇所で息継ぎできない場合には、次善の箇所でそれを行うしかありません。
その場合には息継ぎを行う直前の音があたかもフレーズの終わりの音であるかのような演出をする、という方法があります。

よかったらやってみてください。