新しいリコーダー奏法

吉嶺史晴によるリコーダー奏法解説ブログです。上達してゆくための全般的な考えかた・生き方のヒントについても書いています。

難しいけれど是非、演奏してみたいと思える曲

2020年01月07日 | 練習の方法
難しいけれど是非、演奏してみたいと思える曲があるのか、ないのか、ということはその演奏者の生き方を変えます。
そもそも、そのように思えること自体が幸せなことです。
ただし、練習している際には幸せな気持ちだけではなく、「何故、うまく出来ないのだろうか」とか「ああ、もっと技術があったらなあ」というような気持ちにももちろんなります。

順番としては以下のような流れになります。ここでは主に3の練習の方法(練習メニューを組み立てるための考え方)について述べます。

1.■そのような曲にまず出会うこと
2.■出会った後、その曲をとにかく演奏するのだ、と決意すること
3.■そのあとは練習あるのみ(ただし、合理的な方法が必要)
4.■必ず人前で披露すること

練習の方法
どんなに難しくて、長大な曲であっても最初から最後まで全部、難しいということはありません。
難しい箇所は限られています。
合理的に考えるならば、この箇所だけ練習すれば良いということになります。

そのために必要なのは以下のことです。
■難しい箇所を抽出する
■難しい箇所を練習する

:::::::::::::::::::::::::::::::

問題はここから先です。
それほどの難しい曲であれば、難しい箇所を抽出して、それらの箇所を重点的に練習してみてもそれだけでうまく演奏できるようになることは有りません。
そんなに簡単にことがうまく運ぶならその曲はさほど難しくない曲です。

■難しい箇所を抽出する
■難しい箇所を練習する
ということをいくらやってみても、うまく出来るようにならない時はそもそも、その演奏者の基本的な技術がその曲を演奏することに達していません。

でもここであきらめる必要はありません。
基本的な技術が達していないのであればそれを高めれば良いだけの話です。

:::::::::::::::::::::::::::::::::

ここで「基本的な技術」というものが何によって成り立っているのか、ということを考えてみましょう。
そのなかでも重要なものはこれです。
■様々な曲を演奏できること

これ、とても大事なことです。
どんなに良い曲であっても、それだけしか演奏できない、ということはその演奏者の基本的な技術はさほど高くありません。(技術的に高度でなくても良い演奏者で有り得るということもありますが、それは別の話になるのでここでは言及しません)

要はいろいろな曲を演奏できるようにしておくことが大事です。

難しいけれど是非、演奏してみたいと思える曲はたったひとつか、ふたつしかないかもしれません。
しかし、それらの曲だけを練習していても基本的な技術が望ましいスピードで上達してゆく見込みは薄いのです。

とにかく演奏できる曲を増やしてゆくこと。
これが大事です。
「急がば回れ」という言葉がありますが、演奏技術の進歩にとってもあてはまります。

例えばA.コレッリの「ラ・フォリア」という曲があります。
リコーダー奏者にとっては大事なレパートリーのひとつです。
この曲だけ練習していてもこの曲が演奏できるようにはなかなかなりません。
それ以外の曲を練習するのが結果的にこの曲に必要な演奏技術を見につけるのに役立ちます。

::::::::::::::::::::::::::::::::

それではどんな曲を練習したら良いのでしょうか?
目的の曲と同じ程度の技術的難易度の曲であることが望ましいです。
これは技術的に高度な曲の場合だけではなく、初心者、中級者の場合でもそうです。

「メリーさんのひつじ」がちゃんと演奏できるようになるためには「ロンドンデリー」や「ぶんぶんぶん」のような旋律がちゃんと出来るようになっていることが必要です。

ヘンデルのリコーダーソナタを良い演奏できるようになるためには、マルチェロやルイエのソナタのようなものをしっかり演奏出来るようになっていることが必要です。

Jヴィヴァルディのリコーダー協奏曲のひとつを演奏出来るようになる為には、ヴィヴァルディの全ての協奏曲やそれと同程度の難易度のものが演奏出来ることを目指すことになります。

::::::::::::::::::::::::::::::::

このように考えてゆくと、その時目標にしている曲が仮にひとつかふたつしか無い状態であっても「副産物」(目標の曲と同じまたはそれに準ずる水準の曲)のある練習メニューの組み立てということが重要です。

イメージとしては常に練習し続ける曲がひとつかふたつ。
それ以外に比較的、短期で練習する曲が移り変わってゆく、というものです。
この記事についてブログを書く
« 即興演奏を発展させる方法 | トップ | 「基本的な技術」とは その... »