新しいリコーダー奏法

吉嶺史晴によるリコーダー奏法解説ブログです。上達してゆくための全般的な考えかた・生き方のヒントについても書いています。

フレーズ終わりの処理 実例「庭の千草」 

2018年08月08日 | フレーズ終わりの処理
庭の千草 "The Last Rose of Summer" on tenor recorder

フレーズ終わりの音をどう処理するのかという実例です。
ここではそれぞれのフレーズの終わりの音を減衰させています。

テナーリコーダーの「ソ」の音を減衰させる場合には"3"の指(標準の運指は"0123")
「ラ」の音では"2"の指(標準の運指は"012")
「シ」の音では"1"の指(標準の運指は"01")

というような具合です。

つまりここではフレーズの終わりの音をうまく処理するためにそのために替え指を使うという方法ではなく、標準の指使いでそのままフレーズの終わりの音を出した後に指穴に隙間を開けながら息を弱めてゆくという方法を使っています。

リコーダーの標準的な音域である2オクターブと2度の音のそれぞれの音について、どのようなやちかた最も効果的なのかということを自分自身でも探求してみましょう!

ヒント:人間の聴覚は相対的な音量の差に敏感なので、フレーズ終わりの音がさほど小さな音でなくとも、その前に位置する音がじゅうぶん大きな音で鳴っていれば、相対的に終わりの音が小さく聴こえるということも知っておくと良いです。

フレーズの終わりの音をどう処理するのか

2018年08月07日 | フレーズ終わりの処理
フレーズの終わりの音をどう処理するのか、というのはリコーダー奏者にとって永遠のテーマと言っても過言ではありません。

一般的にフレーズの終わりの音はそれより前に位置する音よりも柔らかく終わることになります。

ところがリコーダーの場合、息を弱くしてしまうとピッチが下がってしまうため、フレーズの終わりの音をどこまで柔らかく出すのか、ということが問題になって来ます。

音楽的な奏者であればあるほど、フレーズ終わりの処理について敏感です。しかしながら息を弱めてしまうとピッチが下がってしまうので、その点をどう考えるのか、ということが大事になってきます。

方法は大きくわけてふたつ。

■息をさほど弱くしないである程度のピッチは保ったままでフレーズを終える方法
■息を弱くしてもピッチが下がらずに済むような「替え指」を使う方法

実際の演奏ではこれらふたつのやりかたを適宜、音楽的状況にあわせて使い分けることになります。

いずれにしても歌やヴァイオリン、横吹きのフルートのようにはゆきません。この点はあえてリコーダーの「特性」などと表面的に綺麗な言葉ではなく私はあえて「弱点」と呼びます。

この「弱点」があったからこそ古典派の音楽が要求するダイナミックな表現にリコーダーが応えられなくなり、やがて歴史上から忘れられてしまったということは想像に難くありません。

ともあれ、限られた範囲のなかであればフレーズ終わりの音を柔らかく処理することは可能です。
問題はどこの程度までそれが可能なのか、ということなのですが、これはそれぞれの奏者の技術にもよるところが大きいですし、そもそも奏者によってはこのようなことをさほど気にしないでリコーダーを演奏している場合もあるかもしれません。

私自身にとってはフレーズ終わりをどのように処理するのか、ということは古い時代の音楽や比較的新しい時代の音楽、バロックやクラシックの文脈に属する音楽、あるいはポピュラー音楽的なものの枠を超えて普遍的な問題です。

実際はフレーズ終わりの際に使う一般的な替え指がありますので、機会がありましたらそれらについても触れてみます。

補足:
フレーズ終わりの音をどのように処理するのか、と言う点についてはそれぞれの奏者の成長の具合が反映されることがありますので、自分自身をあるいはまた他のリコーダー奏者を観察してみると面白いです。

■替え指の可能性に気がついた奏者はフレーズの終わりの音はもちろん、柔らかく吹きたい音は何でも替え指を使おうとする傾向があります。

■替え指の可能性をひととおり経験した奏者は、替え指なしでどこまでの表現が可能なのか試そうとする傾向があります。

■以上、ふたつの段階を通り越した奏者も存在するでしょう。それでは彼、または彼女は「フレーズ終わりの処理方法」あるいはまた「替え指」という事柄についてどのような考えかたをしているでしょうか?