新しいリコーダー奏法

吉嶺史晴によるリコーダー奏法解説ブログです。上達してゆくための全般的な考えかた・生き方のヒントについても書いています。

楽器の選び方(2018年8月1日)

2018年08月01日 | 楽器の選び方
楽器を選ぶのは楽しいものですね。
いろんな楽器メーカーのカタログを見たりするのはなんともココロはずむものです。ここでは楽器の選び方について書いてみます。

出来れば最初から良い楽器を使うのがお勧めですが、初心者の方の場合、近くに経験者または指導者のような方がおられない場合、いきなり木製の楽器を入手されると取り扱い不注意によって楽器を壊してしまう場合があるので要注意です。

プラスチック製の楽器と木製の楽器についてのメリット、デメリットは以下の通りです。

■プラスチック製楽器のメリット
*価格が安い
*取り扱いに気をつかわなくても良い
*木製楽器のような経年変化がない
*個体差が少なく同じモデルの性能にばらつきが少ない

■プラスチック製楽器のデメリット
*ウィンドウェイに水滴がつまりやすい
*よく出来た木製楽器に比べると鳴りが弱い

■木製楽器のメリット
*概して鳴りが良い
*強い息にも弱い息にもよく反応する
*ウィンドウェイに水滴がたまりにくい
*経年変化が良い方向に働く場合がある
*アフターサービスの充実した大手メーカー製または個人工房製の楽器であれば定期的なメンテナンスにより楽器の性能を保持することが可能

■木製楽器のデメリット
*価格が高い
*慣れるまでは取り扱いが難しい
*経年変化が悪い方向に働く場合がある
*同じモデルであっても個体差が大きい

おおまかにこのようにまとめてみました。
以前は木製リコーダーを入手する場合には必ず楽器店、または工房を訪れて実際の楽器を確かめてから買うこと、という考えかたが一般的でしたが最近では通信販売が充実していることと、大手メーカー製の楽器性能が向上していることから必ずしもこのようなことでなくともある程度、良い楽器を入手することが可能になりました。

ですが、木製楽器の場合は木の経年変化、あるいは水分によるウィンドウェイの形状変化などにより楽器の状態が変わることは避けられません。

もし大手メーカー製の楽器を通信販売で買うような場合には、アフターサービスがどのようになっているかということを確認した上で買うのが良いでしょう。

練習用としてはプラスチック製のよく出来た楽器であれば大丈夫です。
プラスチック製の楽器の良いものは木製のよくない楽器よりは良いです。
ただし水滴がウィンドウェイにつまりやすいので、頻繁に吸い込んだり、あるいは吹き飛ばしたりして水滴をとり除く必要があります。

このあたりはリコーダーの材質としてのプラスチックの限界になるのでしょう。

楽器選びの方法としては経験のある人に一緒に楽器店について来てもらって複数の楽器から選んでもらうのはとても良い方法です。

予算にある程度余裕があれば信頼のおける個人工房に注文を出すことも出来ますが、この場合、出来上がってきたものを気にいらないから買わない、ということは出来ません。注文した以上は必ず買わなくてはいけません。

また個人工房製の楽器は注文してから出来上がって来るまでに時間もかかります。

早くて1年以内、人気のある製作者の場合だと3年待ち、あるいはもっと待たなくてはいけないこともあります。しかしながら予算、あるいは待ち期間などの点を考慮しても、楽器それ自体の性能の高さから職業的な演奏者は多くの場合、個人工房製の楽器を選びます。

何らかの事情で大手メーカー製の楽器を使う場合には専門的な知識を持つ人によって大幅に手を加えられることもあります。多くの場合、大手メーカー製の楽器はそのままの状態では職業的な奏者が求める性能に達していないからです。

趣味でリコーダー演奏を嗜む方々はここまでの性能を楽器に求める必要はないかもしれませんが、長く演奏を楽しむためにはある程度の性能を備えた楽器がどうしても必要になります。予算と相談しながら、なるべく良い楽器で演奏を楽しみましょう。

大手メーカー製の楽器を選ぶ場合に気をつけたいことがあります。

そのメーカーの最低クラスの価格帯の楽器の場合には製造に関するコストを下げるために指穴のアンダーカットなどの工程が省かれた状態でそのまま出荷してあるものがあります。
当然ながら音程がめちゃくちゃです。このような楽器が値段をつけられた状態で出回っているという現状がいまだにあります。

このような楽器を安いから、という理由だけで買ってしまうと、音程がめちゃくちゃなので練習にも使えませんし、もちろん本番の演奏でもひどい演奏にしかなりません。大手メーカー製の楽器で違うモデルが同じ材質で高い値段、もうひとつのモデルは同じ材質なのに大幅に安い場合があります。

安いモデルの場合は当然ながら作る過程において本来、必要な過程を省略してあるのです。楽器としては非常に問題の多いものですので気をつけなければいけません。


以上の点をまとめてみると、趣味でリコーダーを楽しむ皆さんにとって最適なのはとりあえず以下のようなものではないかと思います。

■プラスチック製の良いもの
■大手メーカー製のある程度以上の価格帯の木製

(木製リコーダーは新品の楽器でいきなり長時間、音を出すことは出来ません。ある程度の期間、「慣らし」をすることが必要です。この点についてはまた別に書いてみます)