新しいリコーダー奏法

吉嶺史晴によるリコーダー奏法解説ブログです。上達してゆくための全般的な考えかた・生き方のヒントについても書いています。

フォンテガーラ

2018年08月10日 | 息そして指穴の隙間コントロール連動
フォンテガーラという16世紀のリコーダー教則本があります。
著者ガナッシはそのなかで「歌を模倣すること」の重要性を述べました。
リコーダーを学ぶ者は上手なリコーダー奏者を模倣するのではなく、歌手を模倣するべきだと言っているのは面白いことです。

そのなかで彼は「指穴に隙間を開ける」ことについて言及しています。もちろん音の高さを微調整するための方法です。

ここで面白いことに気がつきます。
リコーダーの標準的な指使いというものは確立されています。すでに16世紀にもそのようなものはあり「フォンテガーラ」のなかには運指表が示されています。

しかしながら著者であるガナッシはそれだけでは不十分だと言いたかったのではないか?

標準的な運指だけでは「歌を模倣すること」は不可能である、そのような意味が彼の残したものに隠されているとしたらどうでしょう?

歌は人間の身体が楽器なので鍵盤やフレットあるいは指穴などで明瞭な音の高さが出てこないこともあります。それも歌の魅力のひとつだと考えることは出来ないでしょうか?

このように考えるとリコーダーの現代的な奏法として第1オクターブの音についても果敢に指に隙間をあける方法を取り入れてゆくという方向があっても良いのでは。

そこではむしろ「不明瞭な音程」こそが魅力になる、という考えかたが出来るとしたらどうでしょう!?

わざと「ずり上げる」

2018年08月10日 | 息そして指穴の隙間コントロール連動
リコーダーの第1オクターブの音は指でピッチを調整するのが難しいです。(クロスフィンガリングの音を除く)

しかし、難しいことと不可能であることとは別です。

曲の様式にもよるのですが、あえて「ずり上げる」ような音の動きも使える可能性があります。例えばポピュラー系のピアノ演奏では狙った音よりもわざと半音低い音から開始して本来の音にゆく奏法がありますが、それをリコーダーに応用するのです。

ただしこの場合は標準の指で半音低い音ではなく、遅い息の流れで標準の指使いの音を出し、すばやく指に隙間をあけて本来の高さに持ってゆく、というやりかたです。

ルネサンスやバロックの曲ではふさわしくありませんが、ポピュラー系あるいは民謡の編曲といった様式のものではこのような奏法が使える可能性があります。

ただし全体としては柔らかい音であり、音量も小さく、なおかつ最終的に狙う音の高さは指穴に隙間を開けた状態ですので、ある程度の練習が必要です。

これに対して「ずり上げる」ことをせず、音の立ち上がりの状態からすでに隙間があいている状態で狙った音を正確に出すというやりかたも考えられますが、これは標準的なリコーダー奏法としてはいまだ確立されたものとは言えません。

ただし不可能と言い切ることも出来ません。音楽的な状況によってはこのような奏法も可能性としては残しておくのが得策です。(ただし、あまりにも難しいので大部分のリコーダー奏者はこのような奏法に挑戦しようとすることすらしないでしょう。少なくとも私は他のリコーダー奏者がこのような奏法をやっている現場をまだみたことがありません)

きらきら星(メゾフォルテとピアニシモで)

2018年08月02日 | 息そして指穴の隙間コントロール連動

「きらきら星」を1拍ごとにメゾフォルテとピアノの音量をもって交替しながら出す練習です。
音符の下に縦書きに書いてあるのは指の番号です。
番号の上の横線がひいてあるのはその指穴に隙間を作ることを意味します。
ダブルホールの場合にはダブルホールを使っても良いことにします。

ここではヘ長調だけの例を示しましたが、ト長調、イ長調など他の調でやってみるのも良い練習になります。

通常、リコーダーの場合は指穴に隙間を作るのは左手親指とされていますが、現代的なリコーダー奏法としては楽器の表側にある指穴に隙間を作る奏法もこれから少しずつ一般的になってくるかもしれません。

それぞれの小節にある2個目、4個目の4分音符についてはまず、ふさわしい分量の隙間を作って、その後、ふさわしい速度の息を入れるという順番が良いです。