11月30日、12月3日のFRQ公演プログラムを書いてみました。(曲目は当日の都合により変更される場合があります)FRQ公演の特設ページはこちらです。http://nangokurecords.com/flanders2018ver4.htm
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プログラム"The Final Chapter"
アシュトンHugh ASHTON(1485-1558)
「仮面」"Maske"
カンポPieter CAMPO(1986- )
「瞑想」"Medetation"(2015)、"Fire"(2015)
バッハJohann Sebastian BACH(1685-1750)
パッサカリア ト短調Passacaglia in g minor BWV582
(編曲 B.スパンホフ)
ピアソラAstor PIAZPLLA(1921-1992)
「オブリヴィオン」(忘却)"Oblivion"(1982)
(編曲 J.V.ゴーテム)
プリマLouis PRIMA(1910-1978)
「シング、シング、シング」"Sing,Sing,Sing"(1936)
バッハJohann Sebastian BACH(1685-1750)
「シャコンヌ」"Ciaccona"BWV1004
(吉嶺史晴 独奏)
::::::::::::::休憩::::::::::::::
ワーロックPeter WARLOCK(1894-1930)
Bass dance - Pavane - Tordion - Bransles - Pieds en l'air - Mattachin
ヴィヴァルディAntonio VIVALDI(1678-1741)
和声と調和への試み 協奏曲集「四季」より「冬」(五重奏)
"Il cimento Dell'armonia e dell inventzone" RV297"L'Inverno"
Allegro non molto - Largo - Allegro
ファン・デル・ローストJan Van DER ROOST(1956- )
組曲「大陸」よりアジア-南アメリカ-オセアニア-アフリカ
Suite "I contininti"
Asia - South Africa - Oceania – Africa
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プログラムノート
プログラムはまず16世紀のイギリスの作曲家アシュトンの“仮面”で始まり、1985年生まれのベルギーの作曲家カンポの作品を2曲。現代の曲ですが、いわゆる前衛的なものではなく伝統的な語法によっています。
そしてバッハのパッサカリア。スペインに起源を持ち、スペイン語の pasear (歩く)と calle (通り)に由来している舞曲です。パッサカリアは17世紀初期にはギターで和音を奏するリトルネッロ(歌の前奏・間奏などの器楽演奏部分)を意味していたようです。もとはオルガンのための作品ですが、FRQメンバーのひとりスパンホフがリコーダー四重奏用に書き直した版を使います。
ピアソラの名曲“オブリヴィオン“(忘却)は1984年に公開されたイタリア映画『エンリコ4世』のために書き下ろされた5曲のうちの1曲。曲全体をゆったりとしたミロンガのリズムが包み込んでいます。 ミロンガは、ヨーロッパからやって来たハバネラのリズムと、ラテンアメリカやアフリカから奴隷として連れて来られた黒人たちの強烈なリズムが、互いに影響し合いながら融合したリズムで、タンゴの源流と言われています。
聴き手の皆様のこれまでの人生、ピアソラの追求しようとしたタンゴの歴史、そしてFRQが残した31年間の軌跡、それらの織り成す模様がこの曲によってひとつに重なりあうような、そんな時が現れるかもしれません。FRQのスパンホフいわく、「オブリヴィオンこそFRQの最後を最も象徴的に表している曲」とのことです。
演奏会前半のFRQの四重奏を締めくくるのはルイスプリマの”シング、シング、シング“。昔懐かしいジャズのナンバーをリコーダー四重奏でどうぞ。
前半の最後の曲目は1995年から1999年までFRQに在籍した吉嶺史晴のソロでJ.S.バッハの“シャコンヌ”。この曲は器楽独奏曲としての規模、そして質の高さともに音楽史上の最高傑作のひとつとされ、ギターやピアノなど様々な楽器に編曲されて演奏されています。今日は演奏者自身の編曲により無伴奏テナーリコーダーでお届けします。音楽史の分野で「パッサカリア」と「シャコンヌ」の区別についてはその議論が尽きることがありません。どちらも3拍子、4小節の低音が繰り返されながら旋律の変奏が繰り返される点が共通しています。
休憩の後はFRQと吉嶺による五重奏の曲目。まずはワーロックの“カプリオール組曲”。根強い人気を備えた曲でリコーダー愛好家の皆様の発表会などで演奏されることも多いようです。全部で6つの楽章から出来ており、それらは16世紀のフランスの舞踏教本「オルケソグラフィ」にある旋律が元になっています。
ちなみにそれぞれの楽章は 1バスダンス(低い踊り)、2パヴァーヌ(2拍子の威厳のある踊り)、
3トゥルディオン(3拍子の踊り)、4ブランル(陽気な皆の踊り)、5空中に残ったもう一方の足、6剣の踊り、という構成になっています。今回はFRQと吉嶺の五重奏によってどんな演奏になるでしょうか。
ヴィヴァルディの“四季”からリコーダー五重奏による”冬”を経て最後はベルギーの現代作曲家デル・ローストによる“大陸”組曲です。アジア、南アメリカ、オセアニア、そして最後はアフリカ。地球の上にある様々な大陸の音のイメージによる空間と時間をどうぞお楽しみください。
そしてFRQのアンコールタイム!
皆様、どうぞお元気で。またどこかでお会いしましょう!(F.Y.)
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プログラム"The Final Chapter"
アシュトンHugh ASHTON(1485-1558)
「仮面」"Maske"
カンポPieter CAMPO(1986- )
「瞑想」"Medetation"(2015)、"Fire"(2015)
バッハJohann Sebastian BACH(1685-1750)
パッサカリア ト短調Passacaglia in g minor BWV582
(編曲 B.スパンホフ)
ピアソラAstor PIAZPLLA(1921-1992)
「オブリヴィオン」(忘却)"Oblivion"(1982)
(編曲 J.V.ゴーテム)
プリマLouis PRIMA(1910-1978)
「シング、シング、シング」"Sing,Sing,Sing"(1936)
バッハJohann Sebastian BACH(1685-1750)
「シャコンヌ」"Ciaccona"BWV1004
(吉嶺史晴 独奏)
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ワーロックPeter WARLOCK(1894-1930)
Bass dance - Pavane - Tordion - Bransles - Pieds en l'air - Mattachin
ヴィヴァルディAntonio VIVALDI(1678-1741)
和声と調和への試み 協奏曲集「四季」より「冬」(五重奏)
"Il cimento Dell'armonia e dell inventzone" RV297"L'Inverno"
Allegro non molto - Largo - Allegro
ファン・デル・ローストJan Van DER ROOST(1956- )
組曲「大陸」よりアジア-南アメリカ-オセアニア-アフリカ
Suite "I contininti"
Asia - South Africa - Oceania – Africa
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プログラムノート
プログラムはまず16世紀のイギリスの作曲家アシュトンの“仮面”で始まり、1985年生まれのベルギーの作曲家カンポの作品を2曲。現代の曲ですが、いわゆる前衛的なものではなく伝統的な語法によっています。
そしてバッハのパッサカリア。スペインに起源を持ち、スペイン語の pasear (歩く)と calle (通り)に由来している舞曲です。パッサカリアは17世紀初期にはギターで和音を奏するリトルネッロ(歌の前奏・間奏などの器楽演奏部分)を意味していたようです。もとはオルガンのための作品ですが、FRQメンバーのひとりスパンホフがリコーダー四重奏用に書き直した版を使います。
ピアソラの名曲“オブリヴィオン“(忘却)は1984年に公開されたイタリア映画『エンリコ4世』のために書き下ろされた5曲のうちの1曲。曲全体をゆったりとしたミロンガのリズムが包み込んでいます。 ミロンガは、ヨーロッパからやって来たハバネラのリズムと、ラテンアメリカやアフリカから奴隷として連れて来られた黒人たちの強烈なリズムが、互いに影響し合いながら融合したリズムで、タンゴの源流と言われています。
聴き手の皆様のこれまでの人生、ピアソラの追求しようとしたタンゴの歴史、そしてFRQが残した31年間の軌跡、それらの織り成す模様がこの曲によってひとつに重なりあうような、そんな時が現れるかもしれません。FRQのスパンホフいわく、「オブリヴィオンこそFRQの最後を最も象徴的に表している曲」とのことです。
演奏会前半のFRQの四重奏を締めくくるのはルイスプリマの”シング、シング、シング“。昔懐かしいジャズのナンバーをリコーダー四重奏でどうぞ。
前半の最後の曲目は1995年から1999年までFRQに在籍した吉嶺史晴のソロでJ.S.バッハの“シャコンヌ”。この曲は器楽独奏曲としての規模、そして質の高さともに音楽史上の最高傑作のひとつとされ、ギターやピアノなど様々な楽器に編曲されて演奏されています。今日は演奏者自身の編曲により無伴奏テナーリコーダーでお届けします。音楽史の分野で「パッサカリア」と「シャコンヌ」の区別についてはその議論が尽きることがありません。どちらも3拍子、4小節の低音が繰り返されながら旋律の変奏が繰り返される点が共通しています。
休憩の後はFRQと吉嶺による五重奏の曲目。まずはワーロックの“カプリオール組曲”。根強い人気を備えた曲でリコーダー愛好家の皆様の発表会などで演奏されることも多いようです。全部で6つの楽章から出来ており、それらは16世紀のフランスの舞踏教本「オルケソグラフィ」にある旋律が元になっています。
ちなみにそれぞれの楽章は 1バスダンス(低い踊り)、2パヴァーヌ(2拍子の威厳のある踊り)、
3トゥルディオン(3拍子の踊り)、4ブランル(陽気な皆の踊り)、5空中に残ったもう一方の足、6剣の踊り、という構成になっています。今回はFRQと吉嶺の五重奏によってどんな演奏になるでしょうか。
ヴィヴァルディの“四季”からリコーダー五重奏による”冬”を経て最後はベルギーの現代作曲家デル・ローストによる“大陸”組曲です。アジア、南アメリカ、オセアニア、そして最後はアフリカ。地球の上にある様々な大陸の音のイメージによる空間と時間をどうぞお楽しみください。
そしてFRQのアンコールタイム!
皆様、どうぞお元気で。またどこかでお会いしましょう!(F.Y.)