MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島（通称：マツダスタジアム）は広島県広島市南区南蟹屋にある野球場です。プロ野球･セントラル･リーグの広島東洋カープが本拠地球場として使用しています。2009年3月28日に竣工式が行われ、4月1日から供用が開始された、プロ野球12球団の中で一番新しい本拠地球場です。
2004年になり、それまでに使用していた旧広島市民球場が1957年の開設後約50年が経過し、施設が老朽化していました。また、球界再編問題が起き、カープ存続に危機感を抱いた市民･県民や経済界から新球場建設の機運が急速に高まり、広島市が呼びかけ2004年11月に「新球場建設促進会議」が設置され、2005年3月に新球場建設の方向性が決められました。
その結果、旧市民球場の建替えではなく、建設場所は東広島貨物駅（貨物ヤード）跡地に決定されました。また、候補に挙がっていたドーム球場は建設費･維持費が高く、投資に見合う収益が期待できず、カープも「人工芝は選手にとって体への負担が大きく、米国では時代遅れとなった」ことなどを指摘し、こうした検討結果や広島市の考え方をもとに「新球場建設促進会議」などで議論を重ねた結果、2005年9月に「新球場建設の基本方針について」を公表しました。
【基本方針の主な内容】
建設場所は、ヤード跡地とする。
球場形態は、観客定員約3万人の天然芝のオープン球場とする。
完成時期は、平成21年（2009年）のプロ野球シーズン開幕までとする。
事業主体は、広島市とする。 など
【基本設計の施設概要】
グラウンドの大きさ：右翼100メートル 左翼101メートル 中堅122メートル
観客席数：30,350席（固定席）
日本の球場のほとんどの設計はシンメトリー（左右対称）になっていることが多いのですが、ここはJRの路線沿いにあるという地理の関係上、レフト側外野席を大きく削ったスタンド形状になっており、ビジター側応援席となる「ビジターパフォーマンス(ビジパフォ)」席は、レフトスタンドに近い三塁側内野スタンド後方に位置しています。
と、ここまではいいのですが、このマツダスタジアムはチケットの入手が難しいのです。ほとんどのチームがゲーム開催日の約1～2カ月前からチケット販売する方法なのですが、阪神タイガースとカープ違います。両チームは年間シートの販売終了翌日くらいに、そのシーズンすべての一般席のチケットを一括で売りに出す販売方法を採っています。
2017年の場合、マツダスタジアムでの窓口発売が3月1日で、球団Webサイトでの発売は翌2日からでしたが、球場窓口発売前日の2月28日に配布される2000枚の整理券を求めて場所取りが始まったのは、まだ球場のどこで整理券が配布されるのかもわからなかった2月6日だったそうです。組織的に購入する業者などは、アルバイトを大量に雇って並ばせ、整理券自体が高値転売の対象になってもいるようです。そして、今年は1月26日に場所取りが確認されているとのことです。
近年のカープ人気もあり、チケット争奪戦は過熱の一途をたどっている状況でもあり、2017年は年間指定席は前年からの更新者や球団スポンサーへの割り当てなどで枠がいっぱいになり、新規発売がありませんでした。つまり、3月1日の発売前に年間指定席のSS席（26万2500円）、S（21万円）、カープパフォーマンス席（9万8700円）はすでに完売してます。
球場窓口での販売では先着順の整理券を入手できても、2ケタの番号の人ですら希望の席が買えないほどだったそうです。1人が買える枚数に制限がないので、窓口で2時間半も粘り、なんと500万円以上購入する人もいたようです。となりますと、ごくごく普通のファンでも、整理券を入手できた場合には、仲間のカープファンの期待を背負って、1人が50万円や100万円を投じる買い方をするようになり、さらにチケットは入手しにくくなってしまいます。
ビジパフォ席ではカープのユニフォーム着用や応援が禁止されていますが、三塁側パフォーマンス席では応援が可能となっているため、多くのカープファンがビジターパフォーマンスの入場券を求め、一階のコンコースに人が溢れている状況が続いていました。ビジターチームを応援したいファンとしては、座席数が限られていることもあり、販売数が少ないこともあって、チケット入手が難しく、迷惑千万ともいえる状況でした。
ところが、ただでさえもビジパフォ席が少ないところにきて、2018年からビジパフォを分割し、カープファンとビジターファンのどちらも応援可能な一般席を設けるといのです。対象となる試合は横浜DeNAベイスターズ、中日ドラゴンズ、東京ヤクルトスワローズ戦だという。これはもう、マツダスタジアムでの応援は夢の夢になりそうな雰囲気です。
いくら、今回は混雑の解消、トラブルの防止が理由とされているが、同じ檻にトラとライオン、鯉と竜を放そうとするのですから、トラブルの現場をビジパフォ席に棚上げしただけなのです。はっきり言って軽率ともいえるアイディアですよね。ビジターのファンのことを考えていないのですからね。数少ないビジターファンに解放する「聖地」は、あくまでもビジターファンのものとして提供するのが筋でしょう。勝手な思惑で減らしてはいけないと思います。ビジパフォ席を埋めたければ、ビジターのファンにアピールすることが営業努力だと思います。
というわけで、今年の一発目はマツダスタジアムに弾丸ツアーで、気合を入れに行ってきます。
