明日晴れるかな? 熱くなるかな? 体調どうだろう?
全員来ているか? ケガしている子はいないか?
準備は出来ているか? 壊れているものはないか? 忘れ物はないだろうか?
今日の練習は怒られずにちゃんとやるだろうか?
今日の試合は勝てるだろうか?
時には準備が遅いと叱るときもあれば、何も言わずに練習、試合に入る日もありました。
グラウンドもちょっと気になるところがあれば、トンボをかけたり、夏はグラウンドに水を撒いたり、冬は暖を取るための焚火の準備をしたり。
グラウンドへ降りる短い階段・・・三段くらい・・・に腰かけながら、子どもたちの動きを見守ってきました。
元気なく、声が出ていなかったりすると、思わず「声出せ」と大声を出してしまいました
そんな週末が何年も続いていました。
正直大変なこともありましたが、おかげさまで楽しく、面白い、貴重な日を過ごせました。
昨年(2014年)の夏に三年生は部活を引退しました。
だから、今書くことはすべて過去形です。
最後の公式戦が終わり、夏休みも終わった日。
三年生はいつもと同じように朝、家を出て学校へ向かいます。
その時間は以前より遅い時間になりました。野球道具を詰め込んだ大きなバッグも持ち歩かなくなりました。
でも、学校へと向かう道のりは、ただ、季節だけが変わって行く、いつもと変わらない風景でした。
いつもの道を通って、いつものように話をしながら・・・
それも今日で終わりになります。
今日は卒業式。
高校合格が決まってからの冬の間、週末の練習に参加させてもらっていました。
先週の日曜日には公立高校後期選抜試験が終わり、ほっと一息つくことが出来た仲間が一人、また一人と練習用ユニフォームを着て5人のもの仲間が集まり、野球をしている姿を見ることが出来ました。
以前と同じ、階段に腰かけながら。
でも、その姿を、ここで見るのはこの日が本当に最後となりました。
物事は終わってから気付くことは多いです。やっている間では気付かないものです。
過ごしてきた時間も同じことです。今までの時間が貴重で掛けがえのない時間だったというのは、終わった後から判らるものなのです。
子どもたちがそれに気付くのはまだ先のことだと思います。
今はそれでいいでしょう。脇目も振らず、まっすぐと先を見つめることです。
目を閉じて、耳を澄ませて、あの試合が思い浮かべてみます。
あの日の空とボールの白さ、打球音と歓声が甦ってきます。