頭の中は魑魅魍魎

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『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』栗原康

2017-04-05 | books
1923年、アナキスト大杉栄と一緒に甘粕大尉に殺害された伊藤野枝の生涯を、弾けるような文体で描く評伝。

めっちゃくちゃに面白い。

そもそもアナキストてなんやねん?政府がない方ええっていうのは、政府があると悪さするからなんかいな?という程度にしか理解してなかったけれど、そういうことではないらしい。アナキズムとは、他人の支配なんて受けない、受けなくてもやっていけるという思想だそうだ。なるほど。近所の助け合いがあれば、行政なんてなくてもやっていけるということだそうだ。ふむふむ。

アナキズムに賛同できるかどうかは別として(個人的には半分くらい賛同する)野枝の人生は実に面白い。

福岡で生まれ育つが、実家は父親が働かないので常に金に困っていた。野枝は高等小学校を出た後郵便局に勤めるが、もっと上の学校に行きたい。ので、東京の叔父に手紙を書き、金を出してくれと頼む。手紙攻撃は三日おき、四か月続いた。根負けした叔父は受け入れ、野枝は上野高等女学校に入学する。卒業間近に、地元で縁談があり、仮祝言をあげた。新郎はアメリカに住むというのでそれならと思ったのだ。しかし彼が日本で農業を継ぐと聞いて、それでは話が違うと、野枝はキレる。しかし婚家に行かないわけにはいかないので行くが、たった9日で飛び出し、東京に戻ってきた。女学校の英語教師と関係を持つ。彼は姦通罪だと周囲から責められる。その辺り、性には奔放だったらしい。それから、「青鞜」にハマり、平塚らいてうに手紙を書き、青鞜社で働くことになる。そして大杉栄と出会い・・・てな感じ。

何物にも縛られない、自由な野枝の生き方に、読み入ってしまった。

村に火をつけ,白痴になれ――伊藤野枝伝

今日の一曲

本とは関係なく。Suchmosで、"PINKVIBES"



では、また。
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