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『全裸監督 村西とおる伝』本橋信宏

2017-02-08 | books
80年代後半、AVの帝王と呼ばれた男、村西とおるのドキュメント。70年代には英会話の教材と百科事典の販売営業でトップに立つ。そしてインベーダーゲームの設置販売で大儲け。80年代に入ると、北大神田書店を設立し、たった75日で北海道だけで48店舗も開いて「ビニ本」を売りまくった。「ビニ本・裏本の帝王」と呼ばれ、ビニ本市場の7割を占めた。そしてAVを制作販売し、有名にもなり、巨万を得た。しかし、前科7犯、借金50億円抱えることにもなった。激動の戦後を突っ走った、傑物の半生とは・・・

面白い。面白すぎる。

片岡鶴太郎が「ナイスですねー」と真似していたのはこの村西のAV内での台詞。女優をほめるときに使う。よく覚えておられる人は多いだろう。女性はピンと来ないかも知れないが、80年代後半から90年代前半に青春期を迎えた男性ならほとんどの人が覚えていると思う。強烈なインパクトがあった。

ハチャメチャとしか言いようのない彼の人生。AV女優と結婚したそうなのだが、なんと息子が超難関小学校に合格したそうなのだ。マスメディアはどうやって合格させたのか、体験記を喋らせたい、もしくは書かせたい。当時村西には金がなかったので、応じるのが当然。しかし彼は応じなかった。よく読んでみると、それも村西らしい。

時代の先端にいた男の秀逸なドキュメントだった。

全裸監督 村西とおる伝

今日の一曲

本とは無関係。先日NEWS ZEROに出演していた、Ed Sheeranで、"Thinking Out Loud"



では、また。
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