頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『テーラー伊三郎』川瀬七緒

2018-03-17 | books
海色(アクアマリン)という名の男子高校生。福島で母一人子一人生活を送る。母はボルノ漫画家で、アクアは手伝いをしている。周囲はやいのやいのと言うけれど、本人は生活のためと割り切って手伝っている。町の紳士服店のショーウィンドウで見慣れぬものが飾ってあった。マネキンがコルセットを身につけているのだ。母の漫画の手伝いを通して、昔のヨーロッパの服装は結構勉強した。これがとても美しいものだと分かった。寂れたテーラーの主人は80を過ぎた伊三郎。珍妙なファッションとずーずー弁の女子高生の三人で、古いものと新しいものを組み合わせた、コルセットのオーダーメードの店をやろうとする・・・

誰に薦められたか忘れてしまった。その人に感謝。

とっても良かった。読みやすい(読みやすいという軽すぎて、読み応えがない場合があるけれど、そういうこともなく)し、含蓄もあり、キャラは立っていて、何よりストーリーが面白い。

じいちゃん、男子高校生、女子高生という、言わば「やや、世間から打ち捨てられていた者たちの再生物語」でもあり、「ややこしくした成長物語」でもあると思う。

テーラー伊三郎【期間限定!試し読み特別版】 (角川書店単行本)

今日の一曲

iriで、"rhythm"



では、また。
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