頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『緋の河』桜木紫乃

2019-08-02 | books
秀男は釧路に生まれ、自分が女性的な言葉を使ったり、服を着たいという願望を隠し切れず、小さいうちから変人扱いされ父親からは叱られる。東京ではゲイボーイという仕事があると知り、家出をし、札幌でお店に入ることが出来た・・・

かなり面白かった。時代背景、主人公の造形、ストーリー展開、全てが好み。

カルーセル麻紀をモデルしたそうだけれど、作者のインタビューを読むと、家族構成など、変えている部分は多く、本人から聞いたエピソードでも使ってないものは多いそうだ。

カルーセル麻紀は、昔テレビでよく見かけた。毒舌なのと、性転換のパイオニアというぐらいしか記憶にない。彼女、あるいはこの時代の性同一性障害の人たちはこんな苦労をしたのだろうと想像させる。彼女はとても強い人だったので、皆がそうだとは言えないだろうけど。

また、性的に秀男が男性に気持ちを寄せたり、寄せられたりする箇所の描写が抜群に巧い。気持ち悪いと感じることはなく、むしろとてもエロチックだと感じた。

小説新潮で第2部の連載が始まった。続きはぜひ読みたいと思っていたので、嬉しい。

 


今日の一曲

Khatia Buniatishviliで、「モーツァルト ピアノ協奏曲23番」



では、また。


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