頭の中は魑魅魍魎

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わたしが一番ブサイクだったとき

2009-06-18 | poetic inspiration

わたしが一番ブサイクだったとき 

            ふる feat.茨木 のり子


わたしが一番ブサイクだったとき
街々はがらがら崩れていって
とんでもないところから
青空なんかが見えたりした

わたしが一番ブサイクだったとき
まわりの人達がたくさん死んだ
工場で 海で 名もない島で
わたしはだじゃれのきっかけを落としてしまった

わたしが一番ブサイクだったとき
だれもやさしい贈り物を捧げてはくれなかった
女たちはただ、くれとしか言わなくって
きれいな眼差しだけを残し皆発っていった

わたしが一番ブサイクだったとき
わたしの頭はからっぽで
わたしの心はかたくなで
手足ばかりが油に光った

わたしが一番ブサイクだったとき
わたしは負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ワイシャツの腕をまくり
卑屈な町をのし歩いた

わたしが一番ブサイクだったとき
ラジオからはR&Bが溢れた
禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
わたしは異国の音楽は嫌いだと思った

わたしが一番ブサイクだったとき
わたしはとてもふしあわせ
わたしはとてもとんちんかん
わたしはめっぽうさびしかった

だから決めた できれば太く短く生きることに
若くして散った
夏目雅子さんのように大場政夫さんのように
松田優作さんのように円谷幸吉さんのように
ジミ・ヘンドリクスさんのようにブライアン・ジョーンズさんのように
                    ね


と思っていたのになかなか人生上手くいかない
                    ね

と書いている今は一番ブサイクじゃないのか
                    ね




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