福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

「十善法語」その87

2019-11-27 | 十善戒
総じて何れの國にも。謬れば文華に過る。文華に過るときは。實を失ひ盗を招く。慎むべきことじゃ。

且く支那の事跡を視るに。誠に禮義文物の郷と云べし。それじゃが。此文物といふものは。國の為にはならぬものじゃ。三代の末に至て。國を盗む者が有た。次第に増長して。秦の時、趙高が天下を盗んだと謀った。此は成ぜずして刑せられた。漢に至て王莽は天下を盗み周禮等に依て政度を改めた。此れは奸謀すでに成じたれども。久からずして誅滅せられた。

後漢より三國。六朝の時。天下を盗んで而も其身を全くせし者多い。其尤も甚しきは五代の末じゃ。周の世宗の時。趙 匡胤が。生得才もあり。其上軍功ありしに由て。世宗が下より取立て。殿前都点検(近衛軍長官)の官に上した。程なく世宗が流矢に中て崩殂す。其時太子宗訓といふは七歳にて。國母の符后は入内の後わずかに十日なりしが。その時他人有て。外國より辺境を侵すと奏す。 趙 匡胤國内の軍兵をひきゐて軍だちす。陳橋駅といふ処まで往きて。一宿して。其夜に黄袍に衣を改め。自立して帰る。皇子をおしこめて。其身帝位につく。是を宋の太祖と云。周の封疆官爵禮度みな其人に帰す。此等の事跡省察すべきことじゃ。 
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