その答えは、節分は一年に4回。嘘ではありません。
節分というのは、「季節を分ける」という意味があって、立春(りっしゅん)、立夏(りっか)、立秋(りっしゅう)、立冬(りっとう)という季節のはじまりの日の前の日にあたります。つまり節分は、その季節の最後の日ということです。
では、なぜ2月3日の節分の行事だけが私たちになじみ深いのか。それは、昔は一年は春から始まると考えられていたからです。旧暦の1月1日は立春のころで、つまり節分は一年の終わり、今で言う大晦日のようなもので、一年の災いをはらって次の年気持ちよく始められるよう、
「おには~外。福は~外。」
と縁起をかついでいたのです。
ふしぎなもので、この節分を過ぎると、なんとなく温かくなってきたような気がするんです。花壇を見ると、秋に植えたチューリップがそっと土の中から芽を出していました。温かくなってきたことを植物はびんかんに感じ取っているのでしょう。
そして、この頃の気候についての言葉に「三寒四温」という言葉があります。これは、数日寒さが続くと暖かい日がその後数日続き、そうしながら温かくなっていく、という意味です。
春と秋は、とくに西から東へ高気圧と低気圧が交互に移動していきます。高気圧におおわれると温かい南風が入り、また「西高東低の冬型の気圧配置」になると、北から風が吹き込んで冬に逆戻りします。こうして数日ごとにお天気が変わるのです。
節分の豆まきは、古く中国から伝わった風習だそうです。生の大豆をまかないで煎った豆をまくのは、まいた大豆から芽が出ると縁起が悪いからだそうです。
最近、海苔巻きを一本丸のまま恵方を向いて食べる習慣がありますが、実はこれは大阪のあるのり会社が自分の会社ののりの宣伝のためにイベントでおこなったことが評判になってまねをする人が増えたこがはじまりの習慣です。なーんの根拠もない行事ですから、あまり一生懸命に食べておなか痛を起こさないようにしてください。それよりも、町のあちこちから、
「おには~外。
福は~内。」
という、元気のいい声が響き渡った方が楽しいと思うのは、私だけでしょうか?