「日本人の9割が知らない遺伝の真実・安藤寿康 著」を読んでみました バイオリニストの鈴木愼一氏の子育て本を読んでいた世代『人は環境によって育てられる。どの子も、育て方次第でよく育つ可能性をもっている。』さまざまな子育てテクニックは効果が期待できないとの遺伝の真実は目から鱗が落ちるです。しかも、遺伝は壮年になれば影響が強く出てくる。年を取って覚醒する人たちは元々才能があり、道を間違えていたのかもしれません。教育は奥が深い。良本は人を覚醒させますね。
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《家柄のいい男、才能がありそうな男、結婚するならどっち??》
本書の趣旨は、2つ。まずは、「行動遺伝学」の正しい知識を身に着け、「わたし力」を伸ばそう!!、さらには、小さな教育改革と大きな教育改革を実行しよう!!というものです。
知識など,どの才能も遺伝するのでしょう!!とお思いの方も多いと思います。それをどう行動に生かのか?難しいものがあります。収入と遺伝との関係は?英才教育って本当に効果があるの?勉強しても無駄なのか??etc..
勿論、遺伝が関与しているのは紛れもない事実です。そうであるならば、遺伝的素養を生かす社会を作るために、「行動遺伝学」の知見を正しく身に着けておかねばなりません。かつては、あのチャールズ・ダーウィンの親戚のフランシス・ゴールドトンは「天才や才能を持ったものは遺伝する」と「優性学」で唱えたとも言われております。
まずは、性格です。知識と並んで重要な項目ですよね。人間の性格を表す5要素です。
現在では、ビック5(OCEAN)が主流と言われております。
①:経験の開放性、または好奇心の強さ
②:勤勉さ
③:外向性
④:協調性
⑤:情緒不安定性です。
ビック5は、世界中の心理学者が知能検査と同じように信頼性のあるものから導き出しましたが、このビック5の遺伝率は、30~50%といわれております。著者が考案した考え方に「カラープリンター理論」があります。性格も当然一人ひとり違い、シアン、マゼンタ、イエローなどと長所と短所があり、それを混ぜそこに一般知能という黒を加えるという考え方です。
では、一般知能はどれくらい遺伝するものなのでしょうか??一卵性双生児と二卵性双生児の比較から導き出されたのは、たとえば、青年期のIQの個人差は、遺伝54%、共有環境が19%、非共有環境が27%です。しかるに、約73%がホギャーと生まれその親の手育てらえる、いわば子どもとしてはどうしようもないところです。もっと言えば、遺伝+非共有環境により決まっているということも言えます。収入への遺伝の影響は、2~4割ほどといわれております。
では、冒頭の行動遺伝学から導き出された答えは、如何なるものになるのでしょうか?そこで、児童期、青年期、成人期に分けて知能に及ぼす〝遺伝〝と〝環境〝の影響をプロットしたところ、人間は年齢を重ねるさまざまな影響にさらされているうちに、遺伝的な素質が引き出され、本来の自分自身になっていくそうです。よって環境か?遺伝か?を問われると〝遺伝〝を選択したほうがベターということになります。