北朝鮮国内では、10日になって米朝首脳会談を行うことが報道されたようです。核兵器やミサイルの放棄などについてはまだ伝えられていませんが、これまで「先軍政治」のスローガンで全てに優先されてきた軍事が突然ないがしろにされかねない事態になって金正恩氏は飼い犬『朝鮮人民軍』による身の危険を感じているようです。朝鮮中央通信の10日報道「深刻な変化」という言葉によって、かえって朝鮮人民軍の間に動揺が広がる可能性もあります。
金正恩委員長はこれまでにも叔父の張成沢氏を反逆罪で粛清したり、兄である金正男氏空港殺害に関与したと噂されたりしています。昨年も首都警備軍の指揮官をクーデターの容疑で処刑するなど政権転覆の危険にさらされているようだが、今回もクーデターを誘引する心配がないとは言えないだろう。それを防ぐためには、中国は金委員長排除に加担しないという習主席の意思表示があれば効果的だ。内外に敵を抱える金正恩氏は今後、核兵器を全て放棄し、自身の地位保全を優先させるのではないか。これまで自身が強力に進めていた「先軍政治」を否定しかねない「恒久的核廃棄」。結果的に金正恩氏は、自分のダブルスタンダードによって追い込まれる。金正恩氏は今、ぶっちゃけ、核兵器や破壊兵器を取り上げられる朝鮮人民軍による❝金委員長排除クーデター❞をいちばん恐れているのではないか。
以下抜粋コピー
2年半ぶりに東京で日中韓首脳会談が開催された。韓国の文在寅大統領、中国の李克強首相はいずれも就任後初来日となった。
3首脳は揃ってブルーのネクタイを着用。
安倍首相は韓国の文大統領の右手を、中国の李首相の左手を取って握手し、連携をアピールした。
北朝鮮の非核化をめぐって、ようやく巡ってきた日本の出番。
日本は議長国として、北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄」を合意文書に盛り込むことを目指した。
しかし、調整は難航し結局、朝鮮半島の「完全な非核化」との表現に留まった。最大の難敵は中国だった。
日中韓会談の直前、金正恩委員長と習近平主席は大連で2度目の首脳会談を実施した。会談は北朝鮮側の強い要請で開かれたとされる。今年3月の首脳会談からわずか40日で、なぜ再び会談する必要があったのか。
最大の理由は、トランプ政権が5月に入り北朝鮮に求める非核化のハードルを上げたことだ。
これまでは「完全な非核化」としていたが、これを「恒久的核廃棄」に強め、大陸間弾道ミサイル(ICBM)だけでなく、北朝鮮が宇宙の平和利用と主張している“衛星”の発射についても禁止を求め始めた。
金委員長は習主席に改めて非核化の意志を示した上で、「段階的かつ同時並行的な措置を講じ非核化を実現させる」と主張した。
要するに、完全な廃棄が実現するまで制裁の解除には応じない姿勢のアメリカを説得してくれ、と中国に泣きついた訳だ。これを受けて習主席は早速、トランプ大統領と電話会談した。
「北朝鮮の合理的な安全保障上の懸念を考慮して欲しい」
「(米朝が)相互信頼を打ち立て、段階的に行動すべきだ」
北朝鮮の主張を代弁し、トランプ大統領に訴えた習主席。
中国は再び、北朝鮮の最大の“擁護者”の役割を果たす姿勢を鮮明にした。
北擁護の姿勢は日中韓会談の場でも遺憾なく発揮され、合意文書は「厳しい言葉を全部そぎ落とす」しかなかった。
会談関係者はこう解説する。