ヤスジロウのdiary ♪

未だみぬ過去を探し求めたい

烏岳 ~ 南壁東稜(仮称) ~  2022

2022-03-26 | 山登り

22・3・25 Fri 

幾つかの偶然や思い付きが重なったようです。前回の3月20日の烏岳へ
行ったときに偵察して来シーズンにトライする予定だった烏岳南壁を登
る機会がやってきました。

今日は昼から気温が上がりそうなので、できるだけ早く尾根に取り付く
ためと、僕にとっては未踏の烏谷からアプローチしてみたいなというこ
とで小原集落からスタート(5:30)。
(ちなみに、正攻法のつもりで取立山~鉢伏山経由でのアプローチも考え
ましたが、烏谷へのロマンのほうが勝りました)。

 

 

 

 

小原ダム(7:07)を越えて烏谷へと入渓してみたものの、すでにジャー
ジャー水が流れてます…トラバースしながら進んでゆくとゴルジュのよ
うなⅠ字峡で足が止まりました…、Ⅰ垣さんはヘツリで突破しましたが、
僕はヘツリを諦めて川底を跳ね渡ってその場をクリア…💦

 

 

 

雪渓が繋がっていない状況の烏谷を遡上してゆくには高捲きとヘツリの
ほかには思いつきません…、

 

 

何とかかんとか進んでゆくうちに、雪渓で谷を占める範囲が徐々に広が
ってきてよかった。

 

とはいえ、その雪渓も口を大きく空けているので適当なブリッジの箇所
で岸を乗り換えて先へと進んでゆきます。

 

 

目指す烏岳の山容が望めるようになってきた辺りまで来て、ようやく
雪渓の上を気遣いなく歩くことができました。

 

 

小原から約4時間半を要して南壁の東稜取付きに到着(10:07)。ハーネ
ス、ギア、ロープを準備して裾広がりな急登の尾根を緩んだ雪と薮を使
って上がってゆきます。

 

 

下から見ていたときよりもかなりの急登です。灌木を頼りにして標高
を稼いでゆくと大岩にぶつかりました。

 

そこを左側から回り込んで抜けると気持ちの良い尾根に出ました。尾根上
に立ち塞がっている桧の間を抜けるとスッキリした雪稜に。

 

 

もう少し早い時期ならかなりの高度感が味わえそうな痩せた雪稜を辿って
岩壁基部へ。そこから基部を右側へと回り込ん稜端部へ。そのまま正面の
凹状からも稜上に上がれそうですが、ここはカッコよさそうな稜端側の方
を選んでみました。

 

 

 

烏谷の取り付きから一時間ほどで1P目(50m)の取り付きです。ここは
もちろん、Ⅰ垣さんのリードで突破してゆきます。岩の隙間のブッシュ
で支点をとりながら藪の向こうへと見えなくなってゆきました…、

 

 

 

 



セカンドで僕が登ってゆきます。藪を抜けて雪稜を登り切ったあたり
で、2P目。積雪がなければハングからのスタート、I垣リード。
最初は岩稜から始まり1P目より濃い薮のあとはハング気味の雪稜を超
えて50mほどで切る。薮もあるしロープがない方が登りやすそうです
が、雪がかなり緩んできていて滑りそうでコワイ…

 

 

 

 

2P目の途中にある小ぶりな岩窓が、南アの鹿窓みたいです

 

 

2Pの核心部を終えて、あとはダラダラ登りのようですので、3P目は
僕がリード。ブッシュの詰まったクラックをロープを引きずりなが
ら薄い薮から雪稜に乗って60mいっぱい伸ばしたところで切ります。

 

4P目はロープがなくてもいいくらいの雪稜ですが、雪が緩いので念のた
めそのままロープで40mほど進んで終了。

 

 

最後は長閑な雪尾根を辿って山頂です。前回の偵察時には崖みたいに見え
たけど意外に大丈夫でした、と云うそんなⅠ垣さんが実に頼もしい。

 

 

 

今回、僕にとっては未知の烏谷を辿る時間は新鮮だったし、昔から気に
なっていた南壁東稜を辿ることもできました。こんな登山の原点のよう
に感じる山行が僕は好きなのだなぁと、自分で振り返っても幸せな時間
になりました。
帰りは取立山からの下山予定でいましたが、板谷の頭から小原へ降りる
方が早そうなのでそちらから下山しました(17:05)。

今回はずっと気になっていた烏岳南壁をI垣さんのおかげでこうして辿
ることができてとても嬉しい。なんだか今シーズンの総まとめのような
山行になりました。お疲れさまでした

 

 

 👆 今回の烏岳南壁東稜のルート(東側の鉢伏山との稜線から望む)

 

👆 今回の烏岳南壁東稜のルート(南側の大長山への支稜から望む)

 

 

 

そうそう、前回の雪洞がどうなっているか帰り路のついでに立ち寄ってみ
たらまだまだ健在でした。なんだか懐かしぃ…