中小企業診断士 福田 徹 ブログ

経営コンサルタント・中小企業診断士・ビジネスファシリテーターによる経営者・起業家・管理者向けブログ

亀井モラトリアムを機会と捉えて活かすことが重要

2009年10月01日 | 福田徹の企業再生

 皆様、こんにちは。今日は10月1日木曜日、私は中小企業診断士の福田徹です。

 亀井静香金融相が言い出したモラトリアム=支払猶予策は、鳩山首相と何らかの意思疎通の元にあったと、数日前から報道されています。

 また、当初は元金のみの支払猶予とも言われていたものが、元利の支払猶予と広がり、金融機関への公からの利子補給や返済不能になった場合の公による金融機関に対する元本保証も検討されているとのことです。

 私は、亀井=鳩山モラトリアム自体は、リスケジュール(通称「リスケ」:銀行との交渉による返済計画変更)と同じで問題の先送りに過ぎないと考えています。

 重要な点は、これを機会と捉えて活かすかどうかです。


 「モラトリアムを機会と捉えて活かす」という今日の本題に入る前に確認しておきたいのは、リスケやモラトリアムは諸刃の剣だということです。

 本当に緊急の資金繰り策として、また第二会社方式やM&Aなど事業を再生するための出口戦略が見えている場合の延命策としては有効でしょう。

 しかし、緊急時(たとえば1年など)をしのいでなお銀行への支払いができず、しかも事業再生の出口が見えないという企業の場合は、リスケやモラトリアムに甘えて、問題の先送りをしているに過ぎません。

 そして、先送りしているの間は再生に取り組むべき貴重な時間を失っているとも言えるのです。

 さらに、リスケやモラトリアム期間中何もしないで時間を失うと、後は死が待っています。なぜかというと、リスケやモラトリアムは、何もしなければ企業の体質を蝕むものだからです。

 つまり、元金や利息を払わないで済むことが当たり前の甘えた企業体質になると言うことです。

 こうした体質となった企業は、リスケやモラトリアム期間が終了すると資金繰りに窮して自動的に倒れます。




 さて、今日の本題です。

 どうやら鳩山さんが亀井さんの顔を立てる形(あるいは亀井さんの力を借りて鳩山さんの持論を実行するということなのかも)で、何らかの「モラトリアム」施策が実施される可能性が高まっています。


 「モラトリアム」が実施されるとなったら、その対象となる企業はこれを「積極的に」活かすべきです。

 「積極的に」とは以下の三つが実行されることです。



 一つは、猶予期間中に資金を貯めることです。「モラトリアムで楽になった」ではだめです。入ってくる現金と出ていく現金との関係を構造的に変える必要があります。絞りに絞ってキャッシュフローをプラスにし、現金を残していかなければ未来が無いと考えて断行します。


 二つめは、有望な事業を育てることです。現在の不況は構造的なものであり、景気が良くなったからと言って今までと同じ顧客・市場から今までと同じ需要が見込まれるとは限りません。

 本業の回復が見込めない場合、一つめの条件で生み出した現金を有効に活用して、「モラトリアム」期間中に次のビジネスチャンスをつかむのです。

 事態は急を要します。この有望事業は、最悪でも「モラトリアム期間終了の1年前」には黒字化されていなければなりません。


 三つめは、事業再生の出口を決めることです。事業再生とは、有望な事業を過大な借金から救い出す手立てです。

 有望な事業をどうやって残すかについて、すぐに検討を始めて下さい。

 そして、有望事業の黒字化が達成される「モラトリアム期間終了の1年前」には、出口の再生手法を決めて実行に移します。

 なお、実行に移す時期がなぜ1年前かというと、金融機関などの交渉相手に足下を見られずに交渉を行うためです。



 私は、今回の「モラトリアム」が再生しようとする皆様の「機会」となることを願っています。

 積極的な「モラトリアム」活用策についてのご相談を承ります。
 

※関連記事とこの記事のカテゴリー
中小企業にモラトリアムを実施か?~亀井静香氏が金融担当相就任
福田徹の事業再生

ブログ作者への依頼・問い合わせはこちら
中小企業診断士福田徹への直行メール(PC)
中小企業診断士福田徹への直行メール(携帯)

ブログ作者ホームページはこちら
福田徹コンサルティングオフィス
(PC)
福田徹コンサルティングオフィス(携帯)


目標は診断士1位!一日一回のクリックがランキングの応援票になります。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ポチッ!と押して下さい。↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ

※お奨めの記事
経営者の仕事~夢を語ること夢を実現する道筋を示すこと
ファシリテーションで議論を沸かせる
雇用調整助成金~復活を見据えた体質改善が重要
続・雇用調整助成金~モラル無き受給は破綻への道
誇りを捨てる時、取り戻す時


ATP(事業再生士補)試験日程
中小企業大学校の診断士養成課程について

最近の記事一覧
このブログについて
中小企業診断士福田徹とは?


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。