中小企業診断士 福田 徹 ブログ

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過去最高益でやるリストラとは~日本マクドナルド

2010年08月06日 | 福田徹の経営

 「企業様を元気にして日本の明るい未来をつくりたい」

 皆様、おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。


 4日発表の日本マクドナルドのニュースリリースによると、第2四半期累計期間(平成22年1月1日~平成22年6月30日)の同社は、増収(全店売上高)増益で、連結経常利益対前年比+58.0%を記録したそうです。

 全店売上高は過去最高であり、連結営業利益・経常利益は上場来最高を記録しています。


日本マクドナルドのニュースリリースより

 また、今期に戦略的閉店による特別損失を103億円計上するため、第2四半期累計当期純利益20億65百万円となり、戦略的閉店の特別損失の金額を除いた場合の当期純利益は78億円となるそうです。

 決算短信によるとこの戦略的閉店とは、

 「今後の更なる成長を目指し、店舗規模や立地等の観点より、閉店することで経営効率及びブランドイメージを最大化することが可能な店舗を(引用者注433店舗)閉店し、今後数年以内に、より採算性やブランドイメージの確立に優れた店舗の新設を進め、フランチャイズ店舗を含めた店舗網全体の質を高め」るものであり

 第2四半期末(6月末)時点で、すでに250店舗を閉店しています。


 ここで驚くべきことは、増収増益にもかかわらずに、大胆な事業再編(リストラクチャリング)を進めていることです。

 増収増益時ならば、店舗撤退時に発生する巨額の除却損が増益時の法人税負担を軽減させる上、最終損益が赤字にならない範囲で行うリストラは将来の利益のための投資なのだと、日本マクドナルドの株主も納得しやすいと考えられます。

 そう考えると、リストラとは増収増益時にこそやるものなのですね。

 日本マクドナルドは、恐らくは、以前から実施タイミングをはかっていた店舗スクラップ計画を、好調な業績を見て一気に行うことにしたのでしょう。


 継続して業績が好調な日本マクドナルドは、外食他社がアップアップしている荒れた海の中を、それこそ我が物顔で自由に泳いでいるように見えます。

 しかし、今回見たように、日本マクドナルドでは、かなりの長期を見据えた戦略的な経営が行われていることがわかります。


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